技術・オペレーションのマネジメント 2020秋クオーター (WBS) – 詳細スケジュール

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技術・オペレーションのマネジメント 2020秋クオーター (WBS)

詳細スケジュール

2020.11.21

授業全体のシラバス

第1回 (9月26日 5限): イントロダクション & COVID-19時代の学びのあり方 & AIが変える社会
トピック
  • イントロダクションとして授業の概要をご説明し、質問を受け付けます。
  • 米国で話題になったドキュメンタリー映画”Most Likely Succeed”を教材として、AIが社会を如何にして変えていくかについて議論します。その後、AI前提の社会の中でキャリアを歩んでいくために、ビジネススクールで学ぶべきことを考えてみたいと思います。
  • ゲスト参加(過去の履修者): Rola Kim氏、石川寛和氏
授業の目的 このセッションが終了するまでに、

  • 授業の目的や仕組みを理解し、授業へオンボーディング(スームズな授業への参加)できるようになる。
  • オンライン授業でより深く学べる学生の特性を理解し、そのマインドセットを身に着ける。
  • ムーアの法則とexponentialな世界について理解し、そのフレームワークを個別の産業の未来予測に適用できるようになる。
  • AI時代に何を学ぶべきなのか、MBAの役割を含めて、自分の中で新たな定義を持つようになる。
事前課題
  • なし
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • ニュートン編集部、 「AI大特集ゼロからわかる人工知能」、ニュートン2018年1月号、2018年 [pp24-51]
  • エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー、「機械との競争」、日経BP、2013年 [第4章: pp 105-140]
  • エリック・トポル、「ディープメディスン AIで思いやりのある医療を! 」、NTT出版、2020年 [第1章-第4章 pp 3-110]
  • 安宅和人、「知性の核心は知覚にある -AI×データ時代に人間が生み出す価値とは-」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2017年5月
  • 冨山和彦、「AI経営で会社は蘇る」、文藝春秋、2017年 [第1章pp 19-89]
  • 安宅和人、「シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成」、NewsPicksパブリッシング、2020年 [第1章pp 19-65, 第4章 pp 204-262]

以下のビデオを視聴して、理解を深めて下さい。(オプション)

参考文献等

 

第2・3回 (10月3日 5、6限): デザイン思考ワークショップ・オンライン版
トピック デザイン思考の基礎を学ぶことを目的として、スタンフォードd.schoolが2020年6月に公開したデザイン思考ワークショップ – オンライン対応版を体験いただきます。このプロセスを通じて、デザイン思考のフレームワークを20程度身につけていただきます。

注: 3時間のワークショップを行います。学生同士でペアを組んで作業をしていただきます。ペアの人に迷惑がかからないように、安定したネットワークかつ集中できる場所で授業に参加するようにして下さい。ペアとのコミュニケーションのために、ビデオとマイク両方が必ず必要です。ペンと白紙5枚程度を用意して下さい。

授業の目的 このセッションが終了するまでに、

  • デザイン思考の手法を説明できるようになる。
  • デザイン思考の主要な20のフレームワークを体験し、活用できるようになる。
  • デザイン思考を活用して、新しいアイディアを考案できるようになる。
事前課題
  • なし
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • ドン・ノーマン、「誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論」、新曜社、2016年 [第6章「デザイン思考」pp 303-358]
    D. A. ノーマン (著),
  • クレイトンM.クリステンセン、タディ・ホール、カレン・ディロン、「運頼みのイノベーションから脱却する方法 Jobs to Be Done: 顧客のニーズを見極めよ」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2017年3月

以下のビデオを視聴して、理解を深めて下さい。(オプション)

参考文献等

 

第4回 (10月10日 5限): デザイン思考とイノベーションを生み出す組織
トピック ケース教材「IDEOの製品開発」をベースに、デザイン思考を組織のプロセスに如何にして組み込んでいくかについて議論します。更にIDEOの特徴をまとめながら、組織におけるイノベーション・システムはどのように構築していくことができるのかを考えます。
授業の目的 このセッションが終了するまでに、

  • IDEOのイノベーションを生み出す仕組みについて説明できるようになる。
  • IDEOの製品開発プロセスと既存のプロセスの違いを区別できるようになる。
  • IDEOが活用している手法を自分自身で使いこなせるようになる。
  • これから進めるプロジェクトにおいて、デザイン思考を活用したプランを立てられるようになる。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • Stefan Thomke、Ashok Nimgade、「IDEOの製品開発」、HBS Case #600-143 (日本語ケース: #612-J03)

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • 意思決定: IDEO社は「バイザー」プロジェクトを(劇的に短い工程で)、受けるべきでしょうか。彼らはハンドスプリング社へスケジュールを見直すように説得すべきでしょうか。もしくは、このプロジェクトを受けない意思決定をすべきでしょうか。この問いを答えるにあたっては、IDEO社、ハンドスプリング社それぞれの視点を考慮して下さい。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. IDEO社のプロセス、組織、文化、経営の特徴をまとめて下さい。
  2. 意思決定: IDEO社は「バイザー」プロジェクトを(劇的に短い工程で)、受けるべきでしょうか。彼らはハンドスプリング社へスケジュールを見直すように説得すべきでしょうか。もしくは、このプロジェクトを受けない意思決定をすべきでしょうか。この問いを答えるにあたっては、IDEO社、ハンドスプリング社それぞれの視点を考慮して下さい。
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • ティム・ブラウン、「IDEOデザインシンキング -人間中心のイノベーションへ – 」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2008年12月
  • ティム・ブラウン、「 IDEO流実行する組織のつくり方 – 新しい考えを組織に浸透させる「導入デザイン」-」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2016年4月
  • ステファン・トムク、「「実験技術」革命のインパクト – イノベーション効率を飛躍的に高める -」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2001年7月
参考文献等

 

第5回 (10月10日 6限): 民主化するイノベーションとメーカーズ・ムーブメント
トピック ケース教材「3Mコーポレーションにおけるイノベーション(A)」をベースに、イノベーションを創出する手法として、リード・ユーザ・リサーチを学ぶ。更にこの応用として、「ユーザ・イノベーション」と呼ばれる誰もがイノベーションを起こす現象について扱い、「民主化するイノベーション」の可能性について議論する。
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 既存のマーケット・リサーチとリード・ユーザ・リサーチ区別し、使い分けできるようになる。
  • リード・ユーザとそうでないユーザの区別がつき、リード・ユーザを見つけられるようになる。
  • リード・ユーザ・リサーチの構成要素を理解し、活用できるようになる。
  • ユーザ・イノベーションというコンセプトを自分のビジネスにおいて活用できるようになる。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • Stefan Thomke、「3Mコーポレーションにおけるイノベーション(A)」、HBS Case #699-012 (日本語ケース: #607-J03)

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • ダンロップに対して、メディカル・サージカル・マーケット事業部はどのような提案をするべきでしょうか。3つの新たな製品か、新しいビジネス戦略、どちらを選ぶべきでしょうか。3Mにおける新しい「リード・ユーザ・リサーチ」のリスクは何でしょう。メディカル・サージカル・マーケット事業部へのリスクは何でしょう。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1.  3M社は創業以来、どのようにイノベーション・プロセスを進化させてきましたか。なぜ、イノベーションの成功で有名な3M社が、再び顧客との距離を近づけないといけなくなったのでしょうか。
  2. リード・ユーザ・リサーチ」は、既存のマーケット・リサーチの手法とはどのように異なるのでしょうか。
  3. メディカル・サージカル・マーケット事業部は、「リード・ユーザ・リサーチ」の導入に成功したといえるでしょうか。理由を述べて下さい。
  4. ダンロップに対して、メディカル・サージカル・マーケット事業部はどのような提案をするべきでしょうか。3つの新たな製品か、新しいビジネス戦略、どちらを選ぶべきでしょうか。3Mにおける新しい「リード・ユーザ・リサーチ」のリスクは何でしょう。メディカル・サージカル・マーケット事業部へのリスクは何でしょう。
事後課題 授業内で配布し、授業時に議論します。

  • Stefan Thomke、 “Innovation at 3M Corp. (B)”、HBS Case #699-013

以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • エリック・ フォン・ ヒッペル、ステファン・ トムク、メアリー・ ソナック、「3Mが実践する:ブレークスルーを生み出すリード・ユーザー・プロセス -社外のイノベーションを製品開発に取り込む-」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2000年2-3月
  • エリック・フォン・ヒッペル、「民主化するイノベーションの時代 – メーカー主導からの脱皮」、ファーストプレス、2005年 [第10章「適用例: リード・ユーザー・イノベーションを追え!」pp 172-188]
  • 小川進、「ユーザーイノベーション―消費者から始まるものづくりの未来」、東洋経済新報社、2013年 [第1-3章 pp1-81]
参考文献等

 

第6回 (10月17日 5限): プラットフォーム・ビジネスとシェアリング・エコノミー
トピック ケース教材「ウーバー: 世界の移動手段を変革する」のディスカッションをベースに、プラットフォームの特性について学ぶ。更に「シェアリング・エコノミー」、「ディスラプティブなビジネス」など、昨今のイノベーションを牽引するコンセプトについて議論する。
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • プラットフォーム (Two-sided network) のコンセプトを理解し、ビジネスモデル分析に活用できるようになる。
  • シェアリング・エコノミーが成立する条件について理解し、ビジネスモデル分析に活用できるようになる。
  • ディスラプティブなビジネスの特性を理解し、ビジネスモデル開発に活用できるようになる。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • Youngme Moon、「ウーバー: 世界の移動手段を変革する」、HBS Case #16011-02 (日本語ケース: #9-317-J01)

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • ウーバーは、既存の規制について認可を得ることをなく、積極的にビジネスを拡大してきた。その結果、あらゆるところからの批判を集めている。あなたはウーバーのこのビジネスの手法に賛成か、反対か。もう少し平和的なビジネスの手法は存在するのか。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. あなたは、サージ・プライシング (ピーク時割り増し料金設定)に賛成か、反対か。アンフェアだとすればどんな点か。どんなリスクを抱えているか。そのリスクにはどのように対応すべきか。
  2. ウーバーは、既存の規制について認可を得ることをなく、積極的にビジネスを拡大してきた。その結果、あらゆるところからの批判を集めている。あなたはウーバーのこのビジネスの手法に賛成か、反対か。もう少し平和的なビジネスの手法は存在するのか。
  3. ウーバーは短期間に多くの利用者を集めた。これはどのような方法によるものか。
  4. ウーバーとドライバーの関係は良好か? ドライバーの視点において、ウーバーのドライバーとタクシーのドライバー、どちらが魅力的か。ドライバーからの最大の不満は何か。ドライバーにとっての最大のベネフィットは何か。典型的なウーバーのドライバーはどのようなプロフィールを持っていて、タクシーのドライバーとはどう違うのか。
  5. ウーバーのオペレーティング・モデルはどの程度強固か?弱みがあるとすれば何か。
  6. ウーバーは短い期間にメディアの注目を集めてきたが、その理由は何か? なぜウーバーは高いバリュエーションを得ているのか。高いバリュエーションを持つことのメリット・デメリットは何か。
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • トーマス・アイゼンマン、ジェフリー・パーカー、マーシャル・W・バン・アルスタイン、「「市場の二面性」のダイナミズムを生かすツー・サイド・プラットフォーム戦略」、ダイアモンド・バーバード・ビジネス・レビュー、2007年6月
参考文献等

 

第7回 (10月17日 6限): 製品のアーキテクチャと新産業の創生
トピック ケース教材”Da Jiang Innovations (DJI)”のディスカッションをベースに、新しい産業であるドローン産業についての理解を深める。このディスカッションを通じて「製品のアーキテクチャ」、「イノベーションのジレンマ」、「産業発展とドミナント・デザイン」など、イノベーションに関連する基礎理論を学ぶ。

  • ゲスト参加: 高須正和氏 (スイッチ・サイエンス)
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 製品をベースにしたビジネスと、プラットフォームをベースにしたビジネスの違いを理解し、ビジネスモデル分析に活用できるようになる。
  • カスタマー・セグメント分析を通じて、イノベーションのジレンマのコンセプトを理解し、ビジネスモデル分析に活用できるようになる。
  • 製品・サービスのエコシステムの概念を理解し、ビジネスモデル分析に活用できるようになる。
  • 製品のアークテクチャの特性について理解し、ビジネスモデル分析に活用できるようになる。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • Wai Fong Boh, Wee-Kiat Lim, and Yi Zeng, “Da Jiang Innovations (DJI): The Rise of the Drones”, The Asian Business Case Centre, HBSP #NTU139

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • DJIは、(a) 短期的な未来(5年程度)、(b) 中期的な未来 (5年以上)それぞれにおいて、どのカスタマー・セグメントに注力するべきでしょうか。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. DJIは、(a) 短期的な未来(5年程度)、(b) 中期的な未来 (5年以上)それぞれにおいて、どのカスタマー・セグメントに注力するべきでしょうか。
  2. ドローンの商業利用のセグメントにおいて、DJIを取り巻くイノベーションのエコシステムをまとめてみて下さい。DJIは、どのようなリスクを抱えているでしょう。
  3. DJIは、プラットフォーム・ビジネスに移行するべきですか?それとも製品ベースの会社として継続するべきですか?プラットフォーム・ビジネスに移行するとしたら、どのような可能性があると考えられますか?
  4. もしDJIがプラットフォーム・ビジネスに移行するとしたら、ビジネスモデルをどのように変えていく必要がありますか?
  5. もしあなたがDJIの経営陣であれば、どのような戦略をとりますか?
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • クリス・アンダーソン、「ドローン・エコノミー: データ取得の革命がビジネスを変える」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2018年1月
  • ジョセフL.バウアー、クレイトンM.クリステンセン、「イノベーションのジレンマ」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2013年6月
  • キム・B・クラーク、カーリス・Y・ボールドウィン、「次世代のイノベーションを生む製品のモジュール化」、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、1998年12-1月
参考文献等

 

第8回 (10月24日 5限): 領域を広げるIT産業 – ITとヘルスケアの融合
トピック ケース教材”23andMe: Genetic Testing For Consumers (A)“のディスカッションをベースに、新しい産業であるゲノム産業についての理解を深める。このディスカッションを通じて「プラットフォーム」、「規制とビジネスの関係」、「医療向け製品の特徴」、「IT産業と他産業の連携」などに関連する基礎理論を学ぶ。

  • ゲスト参加: 小林 孝史 氏 (イルミナ株式会社)
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 新しい検査を行うプロダクト(医療向け製品)の特殊性を理解を深める
  • 会社にとっての危機をどのようにマネージするべきかの理解を深める
  • 規制とビジネスの関係の理解を深める
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • John A. Quelch, and Margaret L. Rodriguez, “23andMe: Genetic Testing For Consumers (A)”, Harvard Business School Case #514-086

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • Wojcickiはどうするべきか?

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1.  一般消費者向けの遺伝子検査は良いビジネスアイディアか?
  2.  あなたなら23andMeに投資するか?
  3.  Wojcickiはどうするべきか?
事後課題 授業内で配布し、授業時に議論します。

  • John A. Quelch, and Margaret L. Rodriguez, “23andMe: Genetic Testing For Consumers (B)”, Harvard Business School Case #514-095
  • John A. Quelch, and Irene Lu, “23andMe: Genetic Testing For Consumers (C)”, Harvard Business School Case #517-129

以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • イルミナ株式会社、「楽しく学べるゲノム解析 – ゲノムに夢中」、2018年 [第1章-第7章+特別編]
  • レイ A. ゴールドバーグ、ファン・エンリケ、「ゲノム・ビジネス:産業融合の時代 – 農業、医療、製薬、コンピュータ…がこぞって参入する」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2001年7月号
参考文献等

 

第9回 (10月24日 6限): イノベーションの源泉としてのスター・サイエンティスト
トピック ケース教材「サイエンティスト冨田勝」のディスカッションをベースに、「スター・サイエンティスト」、「大学を基盤としたイノベーション」、「科学の商業化」などに関連する基礎理論を学ぶ。

  • ゲスト参加:  高木 慶太 氏 & 木村 剛徳 氏 (慶應義塾大学先端生命科学研究所における文系社会人の人材育成プログラム 参加者)
  • ゲスト参加(ケース執筆者): 佐々木 達郎氏 (政策研究大学院大学 / WBS修了生)
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • スター・サイエンティストが科学の商業化や地域活性化にどのように関わっているのかを理解する。
  • スター・サイエンティストとの連携手法を理解する。
  • 持続的にイノベーションがうまれる研究環境の構成要素を理解し、実践につながるヒントを持ち帰る。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • 佐々木達郎、石井美季、牧兼充、「サイエンティスト冨田勝」、早稲田大学ビジネススクール・科学技術とアントレプレナーシップ研究部会ケース・シリーズ、2019年

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • 慶應義塾大学先端生命研究所は成功していると言えるか? その理由は?

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. 慶應義塾大学先端生命研究所は成功していると言えるか? その理由は?
  2. 冨田の人材育成法は、通常の人材育成法とどのように異なるのか。
  3. 冨田の周りになぜ次々とベンチャー企業が生まれているのか。冨田自身はどのような役割を果たしているのか。
  4. 保険会社が鶴岡に社員を送り込み、イノベーティブな人材を育てるスキームをどのように評価するか。どんな効果が望まれるか。
事後課題 授業内で配布し、授業時に議論します。

  • 石井美季、牧兼充、「慶應義塾大学先端生命科学研究所における文系社会人の人材育成プログラム」、早稲田大学ビジネススクール・科学技術とアントレプレナーシップ研究部会ケース・シリーズ、2020年

以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • スティーブン・プロケッシュ、「「医療界のエジソン」がイノベーションを生み出し続ける仕組み」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2017年12月
  • 斎藤裕美・牧兼充、「スター・サイエンティストが拓く日本のイノベーション」、一橋ビジネスレビュー、2017年夏号、pp. 42-56
  • ゲイリーP. ピサノ、「バイオテクノロジーの幻想と挑戦 – 科学の収益化はなぜ難しいか-」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2008年5月Caaaa
参考文献等

 

第10回 (10月31日 5限): サービス・オペレーションのイノベーション
トピック ケース教材「ベニハナ・オブ・トーキョー」のディスカッションをベースに、「オペレーションの基礎」、「サービス・ビジネスのオペレーション」、「プロセス・イノベーション」、「オペレーションとビジネス・モデル」に関連する基礎理論を学ぶ。
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 適切にデザインされたオペレーティング・システムが、ビジネスにおける戦略と高い生産性にどのように結びついているかを学ぶ。
  • 新しいコンセプト「プロセス・フロー・ダイアグラム」、「バッチ」、「インベントリー」、「サイクルタイム」、「スループット・タイム」について学び、用語を使いこなせるようになる。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • W. Earl Sasser Jr.、John R. Klug、「ベニハナ・オブ・トーキョー」、HBS Case #9-673-057 (日本語ケース: 9-607-J19)

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • ベニハナの生産プロセスは、他の典型的なレストランの生産プロセスとどのように異なるのでしょうか。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. ベニハナの生産プロセスは、他の典型的なレストランの生産プロセスとどのように異なるのでしょうか。
  2. 生産システムの詳細を検証してみて下さい。生産効率をあげるために、生産プロセスのデザインにあたって行なっている主要な意思決定は何でしょう。
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • 藤本 隆宏著、「生産マネジメント入門〈1〉生産システム編 (マネジメント・テキスト) 」、日本経済新聞社、2001年 [第1章-2章 pp 1-48]
参考文献等

 

第11回 (10月31日 6限): 量子コンピュータが拓く未来
トピック ケース教材「慶應義塾大学量子コンピューティングセンター(KQCC)のオープン・イノベーション」のディスカッションをベースに、量子コンピュータのビジネスへの応用可能性、息の長い研究開発における産学連携の枠組みに関連する基礎理論を学ぶ。

  • ゲスト・スピーカー: 伊藤公平氏 (慶應義塾大学理工学部教授)
  • ゲスト参加(ケース執筆者): 土肥淳子氏 (早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター / WBS修了生)
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 量子コンピュータのビジネスへの応用可能性について理解を深める。
  • 息の長い研究開発における産学連携の枠組みの特性について、理解を深める。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • 土肥淳子、牧兼充、「慶應義塾大学量子コンピューティングセンター(KQCC)のオープン・イノベーション」、早稲田大学ビジネススクール・科学技術とアントレプレナーシップ研究部会ケース・シリーズ、2020年 [ドラフト]

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • ケースを読み、講演者への質問をまとめて下さい。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. KQCCは成功と呼べるか? その理由は?どういう指標で評価するか?
  2. KQCCのオープン・イノベーションのモデルは既存のイノベーション・モデルとどのような点が異なるのか。大学、企業はそれぞれどのようなインセンティブ・メリットがあるのか。
  3. 量子コンピュータのようなこれから成熟するような技術開発に、企業はどのように関わるべきか。
事後課題
  • なし
参考文献等

 

オンライン学習 (11月1日-13日): サービス・オペレーションのマネジメント
トピック シミュレーション“Operations Management Simulation: Benihana V2″を活用し、学んだことを意思決定に活かしていただくことを通じて、「オペレーションの基礎」、「サービス・ビジネスのオペレーション」、「プロセス・イノベーション」、「オペレーションとビジネス・モデル」に関連する基礎理論を学ぶ。
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 適切にデザインされたオペレーティング・システムが、ビジネスにおける戦略と高い生産性にどのように結びついているかを学ぶ。
  • 新しいコンセプト「プロセス・フロー・ダイアグラム」、「バッチ」、「インベントリー」、「サイクルタイム」、「スループット・タイム」について学び、用語を使いこなせるようになる。
事前課題 以下のシミュレーションを実施すること。

  • W. Earl Sasser Jr.; Ricardo Ernst、”Operations Management Simulation: Benihana V2″、Product #: 7003-HTM-ENG

以下のシミュレーションに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。(締め切り: 11月13日 23:59)

  • チャレンジ6: ベストな戦略をデザインする (Design Your Best Strategy): あなたが考える利益を最大化するためのベストな戦略は何ですか?

以下のシミュレーションに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  • チャレンジ6: ベストな戦略をデザインする (Design Your Best Strategy)
    1. あなたが考える利益を最大化するためのベストな戦略は何ですか?
    2. あなたが考えるスループットを最大化するためのベストな戦略は何ですか?
    3. これらの指標には相関関係はありますか?
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • 藤本 隆宏著、「生産マネジメント入門〈1〉生産システム編 (マネジメント・テキスト) 」、日本経済新聞社、2001年 [第1章-2章 pp 1-48]
参考文献等

 

第12回 (11月14日 5限): イノベーション・トーナメント – 知の結合空間のデザイン – 
トピック ケース教材「イノセンティブ・ドットコム(A)」のディスカッションをベースに、「イノベーション・トーナメント」などに関連する基礎理論を学ぶ。
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 「伝統的な」科学における問題解決手法とブロードキャスト・サーチの違いを区別できるようになる。
  • ブロードキャスト・サーチを提供する企業のビジネスモデル、問題解決の手法、そしてプラットフォームの仕組みについて理解を深める。
  • コラボレーションに基づいた問題解決プロセスのビジネスモデルへの影響について、理解を深める。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • Karim R. Lakhani、「イノセンティブ・ドットコム(A)」、HBS Case #608-170 (日本語ケース: 9-612-J11)

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • 問題解決にあたって、マーケットもしくはコミュニティを活用する場合のトレードオフとしてどのような要素があるでしょうか。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. なぜ企業は、科学的もしくは技術的な課題を解決するために、イノセンティブ・ドット・コムのサービスを利用するのでしょうか。
  2. イノセンティブ・ドット・コムに参加するソルバーのモチベーションは何でしょうか。
  3. ブロードキャストサーチを活用するためには、どのような問いの設定が適切でしょうか。
  4. 問題解決にあたって、マーケットもしくはコミュニティを活用する場合のトレードオフとしてどのような要素があるでしょうか。
事後課題 授業内で配布し、授業時に議論します。

  • Karim R. Lakhani, Eric Lonstein, “InnoCentive.com (B)”, Harvard Business School Case, August 2011 (HBS Case #612026-PDF-ENG)
    Karim R. Lakhani, Eric Lonstein, “InnoCentive.com (B)”, Harvard Business School Case, August 2011 (HBS Case #612027-PDF-ENG)

以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • Gary P. Pisano, Roberto Verganti, “Which Kind of Collaboration Is Right for You?”, Harvard Business Review, December 2008
  • Eva Guinan, Kevin J. Boudreau, and Karim R. Lakhani, “Experiments in Open Innovation at Harvard Medial School”, MIT Sloan Management Review, 2013
参考文献等

 

第13回 (11月14日 6限): パンデミック時の意思決定とサイエンス・リテラシー 
トピック この授業のために新たに製作したケース教材「ダイアモンド・プリンセス号と感染症対策」をベースに、COVID-19の実態を理解するために必要となるサイエンス・リテラシー、サイエンスとメディアとの関係、パンデミック時におけるリーダーシップなどを議論する。これらの議論を通じて、サイエンスと社会の関係について考える。

  • ゲスト(ケース執筆者): 天野達郎氏 (WBS)、中本広計氏 (WBS)
  • ゲスト参加(当日発表): 橋本岳氏 (衆議院議員・前厚生労働副大臣)
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • パンデミック時におけるサイエンス・リテラシーの重要性を理解を深める。
  • パンデミック時における情報発信の手法について理解を深める。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • 天野達郎、中本広計、牧兼充、「ダイアモンド・プリンセス号と感染症対策」、早稲田大学ビジネススクール 科学技術とアントレプレナーシップ研究部会ケース・シリーズ、2020年

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • 日本政府がとったダイヤモンド・プリンセス号の検疫及び船内隔離の手法は、総合的にみて成功か失敗か。その理由は。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. 日本政府がとったダイヤモンド・プリンセス号の検疫及び船内隔離の手法は、総合的にみて成功か失敗か。その理由は。
  2. 日本政府の施策を評価するにあたっては、どのような評価指標を用いるべきか? 複数の評価指標がある場合には、どのような優先順位をとるべきか。
  3. ダイアモンド・プリンセス号における感染は、新型コロナウィルスの特性を学ぶための「自然実験」の環境であった。この環境の中から、どのような知見を一般化することができるか。
  4. このケースにおける意思決定において、科学的なエビデンスをどの程度活かしてきたといえるか。科学的エビデンスを意思決定に用いる際のメリットとデメリットは何か?
  5. このケースのように、未曾有の危機が訪れた場合、現場の責任者は、どのような情報をどのようなタイミングで発信すべきか。
事後課題 以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • Hanako Jimi, Gaku Hashimoto, “Challenges of COVID-19 outbreak on the cruise ship Diamond Princess docked at Yokohama, Japan: a real-world story”, Global Health & Medicine, 2020
参考文献等

 

第14回 (11月21日 5限): インクルーシブ・イノベーション – Innovation is for Everyone. – 
トピック ケース教材”Cipla”のディスカッションをベースに、「インクルーシブ・イノベーション」の基礎概念を学ぶ。

  • ゲスト(ケース執筆者): 大槻 一文氏 (WBS)
  • オブザーバ: 高校生2名
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 他の人の多様な視点を理解するために、「課題のフレーミング」を使いこなせるようになる。
  • 「市場の失敗」の対応策への理解を深める。
  • 企業の義務と社会的要請の関係を分析する手法を身につける。
  • 国内法、国際機関、NGO、メディアの関係への理解を深める。
事前課題 以下の文献を読むみ、ケース・ディスカッションに備えること。

  • Rohit Deshpande, ”Cipla”, Harvard Business School Case #503085-PDF-ENGCiPLA

以下のケースに関する問いを400字以内にまとめて、Moodleにて提出すること。

  • Hamid氏は、知財泥棒か、人道主義者か。あなたの考えをまとめよ。

以下のケースに関する設問について、ディスカッションに備えること (提出の必要はありません)。

  1. 様々な機関がグローバルなAIDSの危機に対して対応策を試みていますが、それぞれの成果についてあなたはどのように評価しますか。
  2. Ciplaは伝統的な製薬企業と比較して、ビジネスモデルの観点からどのように異なっていますか。 Ciplaの成功にとってのキー・ドライバーと課題は何ですか?
  3. あなたの観点から、Ciplaのビジネスモデルは、アンフェアな競争を生み出していると考えますか?
  4. 現在抱えている課題に対して、ハミード博士及び彼の会社はどのように対応するべきですか?
  5. 以下の組織がグローバルなAIDSの危機に対応するとすれば何をするべきと考えますか? (1) 製薬企業 (2) 先進国の政府 (3) 非政府組織 (NGO) 及びクリントン財団などの非営利組織(NPO)
事後課題 授業内で配布し、授業時に議論します。

  • 大槻一文、牧兼充、「COVID-19ワクチンの研究開発と価格づけ」、早稲田大学ビジネススクール・科学技術とアントレプレナーシップ研究部会ケース・シリーズ、2020年

以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • ゲイリーP. ピサノ、「バイオテクノロジーの幻想と挑戦」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2008年5月
参考文献等
  • なし

 

第15回 (11月21日 6限): まとめ
トピック コース全体を振り返り、イノベーションとは何かを考える。
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • イノベーションという概念の自分なりの定義を持てるようになる。
  • この授業で学んだことを体系的に理解する。
事前課題
  • 全15回の授業内容を振り返り、各回で学んだことをシェアできるように準備しておきましょう。
事後課題 以下のビデオを見て、イノベーションへの理解を深めて下さい。

以下の文献を授業で配布しますので、理解を深めて下さい。(オプション)

  • ピーター F. ドラッカー、「イノベーションの機会」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2010年6月
  • ジョンT.グルビル、「新製品と消費者行動の経済学」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2007年7月

以下のビデオは授業を振り返る意味でもおすすめです。(オプション)

参考文献等
  • なし

 

最終課題
トピック 最終課題として、Zuvaと呼ばれる新しい技術系スタートアップ検索のためのデータベースを活用し、新しい技術の検索を行う。
授業の目的 このセッションの終了時までに、

  • 新しい技術系スタートアップのための検索手法を身に着ける。学んだことを体系的に理解する。
課題
  • Zuvaを用いて、あなたの所属する業界に関わる技術系スタートアップを検索し、なぜそのスタートアップが興味深いかをA4 1ページ以内にまとめて、Moodleにて提出すること。
  • 締め切り: 12月5日(土) 23:59
  • この提出課題は履修者・聴講者間で相互に共有しますので、あらかじめご了解下さい。