2021年度夏クォーター: 「Lab to Market: 科学技術の商業化と科学的実験」

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2021年度夏クォーター

「Lab to Market: 科学技術の商業化と科学的実験」

授業シラバス

2021.7.2現在

アントレプレナーシップをサイエンスにしたい人へ

 

授業担当者: 牧 兼充 (kanetaka@kanetaka-maki.org)
オフィス: 早稲田キャンパス11号館1136号室
学期・曜日・時限: 夏クォーター/ 土曜日 / 5限(16:30-18:00)、6限 (18:15-19:45)
教室:  11-902
ティーチング・アシスタント:  土肥淳子 & 森田善人

このシラバスはあくまで暫定版であり、今後必要に応じて変更する。プリントアウト版・PDF版ではなくウェブ版が最新なので常にウェブ版を参照のこと。

 

1.授業概要

この授業は、「技術経営」と「アントレプレナーシップ」の融合領域である。この授業の特徴は、「サイエンス」と「アントレプレナーシップ」の関係を (1) シーズとしての「サイエンス」の商業化、 (2) 新事業創造の手法における「サイエンス」の活用、の 2 つの観点から掘り下げる点にある。更に、この授業では、現在米国の大学で用いられている英語によるアントレプレナーシップの教材を用いる。アントレプレナーシップ教育のカリキュラムは日々進化しており、英語による優れた教材が近年増えているためである。

授業は大きく分けて、二つのトピックを扱う。第一のトピックとして、「科学的思考法」を用いた新事業創出法について学ぶ。リーンスタートアップを始めたとした新事業創造手法は、本来的には「科学的実験」に基づいた仮説検証のプロセスそのものである。近年の米国のアントレプレナーシップの教科書ではこのような「科学的思考法」をとりあげることが増えている。授業においては、ケース教材、シミュレーション、論文などを活用しながら、「科学的思考法」の新事業創造の基礎について学ぶ。この手法は、WBSが重視する修士論文にも直接役立つものであり、この授業は研究法の側面も持つ。

第二のトピックとして、科学技術からどのように新事業を創出していくのか、技術評価及びビジネスモデル策定に関する多様なフレームワークを学ぶ。更に、早稲田大学オープン・イノベーション戦略研究機構との連携のもと、大学のシーズの評価を行い、ビジネス化の可能性を検証をする。具体的にはNASAにより開発されたQuickLookというフレームワークを用いる。

Lab to Market という授業名はもともと、カリフォルニア大学サンディエゴ校のビジネススクールでスタートした、科学技術を商業化する手法を学ぶためのプログラムであり、近年はハーバードビジネススクールにおいても同様の授業名がある。この授業では、それらの授業で用いられている教材なども積極的に活用する。各回に事前予習課題が配布される。また英語の教材も含まれる。

これらを統合した最終課題として、技術シーズのマーケットの評価をグループ形式にて発表していただく。

2.授業の到達目標

コース終了時に以下の能力を身につけていることを目標とする。

  • 仮説検証プロセスに関する思考力
  • 科学的思考法を活用した新事業創造手法
  • 科学技術研究の市場性に関するの評価手法

3. 事前・事後学習の内容

  • 各回に事前予習を行うことが求められる。
  • 割り当てられた技術シーズに関する市場評価を行うことを目的としたグループワークへの積極的な参加が求められる。NASAにより開発されたQuickLookは、20-40時間が必要であると言われており、この作業をグループ・メンバーで分担して行う。

4.授業計画 (主なトピック)

  • イントロダクション
  • アントレプレナーシップとは何か
  • 技術シーズの持ち込み
  • 技術評価ワークショップ
  • 科学的思考法とは?
  • 科学的思考法のアントレプレナーシップ分野での活用
  • ナラティブとプレゼンテーション
  • 中間発表とフィードバック
  • 最終発表

詳細は「スケジュール・課題など」の項目を参照のこと。

5.教科書

  • 授業担当者が厳選したコースパケット (ケース・論文など) – オンライン配布
  • ビル・オーレット著、「ビジネスクリエーション」、ダイアモンド社、2014年
  • デイビッド・J・ブランド、アレックス・オスターワルダー著、「ビジネス・アイデア・テスト – 事業化を確実に成功させる44の検証ツール」、2020年
  • ヴィジェイ・クーマー著、「101デザインメソッド -革新的な製品・サービスを生む「アイデアの道具箱」」、2013年

6.参考文献

7.成績評価方法

項目 割合(%) 評価基準
クラスへの貢献点 30% 授業の出席、発言回数、発言の質などによって評価する。
事前課題の提出 30% 各回の事前課題の提出状況及び必要に応じてその質により評価する。
最終発表 40% 最終発表会のプレゼンテーションの質により評価する。

8.備考・関連URL

  • 授業履修に際しての Honor Code
  • 本授業における Honor Code
    • 全ての課題については、履修者同士で相談しても構わない。必要に応じて、グループで議論することを推奨する。
    • 全ての授業準備、課題については、過去の授業の履修者、もしくは他大学における配布資料・ノート・授業スライドなどを参照することを禁止する。
  • “Equity, Diversity, and Inclusion”の尊重
    • この授業は、インクルーシブであることを前提としている。
    • この授業では、すべての学生が、人種、自認する性別、性的指向性、社会的地位、年齢、障がいの有無、宗教、出身地域、国籍、言語の得意・不得意、その他個々人の多様性を生み出すものすべての観点において、同等に学ぶ権利を提供することを目指している。
    • この授業がインクルーシブであるほど、多様性が生まれ、イノベーションや創造性が強化され、履修者の学びの体験が向上すると考えられる。
    • インクルーシブや授業の実現のためには、履修者の皆さんの理解が不可欠である。積極的に参加し、助け合って、そしてピアのことの理解を深めて欲しい。
    • 多様性、人とは違うということを相互にリスペクトし、それを強みにして、より良いラーニング・コミュニティを築いていくことを目指していきたい。

9.スケジュール・課題など

第1回 (5/29 6限): イントロダクション
トピック
  • イントロダクション
  • 授業のオーバービュー
  • 科学技術の商業化とは?
  • 「科学的思考法」と仮説検証プロセス
  • シーズの紹介
事前課題
  • シラバスに目を通し、授業の概要について理解しておくこと。
文献リスト (オプション)
  • ハーバード・ビジネス・レビュー編、「起業家は科学的手法を使うべきである」、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2021年2月号 [DB]
  • Arnaldo Camuffo, Alessandro Cordova, Alfonso Gambardella, Chiara Spina (2020) A Scientific Approach to Entrepreneurial Decision Making: Evidence from a Randomized Control Trial. Management Science 66(2):564-586. [DB]
オンデマンド授業1: 大学の技術の商業化
トピック
  • 講演「大学発技術の商業化 – 実践的な教育の視点から -」
  • 高田仁氏 (九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターセンター長 / 経済学研究院産業マネジメント部門 (ビジネススクール) 教授
課題
  • ビデオを見て内容を理解しておくこと
文献リスト (オプション)
  • 高田仁, et al. “産学連携型アントレプレナーシップ教育に関する考察~ 技術商業化を担う人材育成プログラムの特徴と効果~.” 研究 技術 計画 33.2 (2018): 144-153. [DB]
  • Niels Reimers著、「大学及び大学教員は産業界と連携すべきか?」、1999年 [DB]
第2回 (6/5 5限): イノベーションにおけるプロトタイプの役割
トピック
  • シミュレーション”The Food Truck Challenge”を通じて、プロトタイプの重要性を議論する。
事前課題
  • “The Food Truck Challenge”(Product #: 7201-HTM-ENG)を実際に操作し、以下の設問に答えよ。
    1. シミュレーションにおいて、一番最初の意思決定としては、どの選択肢を選びましたか。そのときの理由は何ですか?
    2. シミュレーションが進行するに連れて、マーケットからのフィードバックをどのように評価し、選択肢を選ぶにあたって参考にしましたか?
    3. 全プロセスにおいて、「プッシュカート」を1回でも選択した場合、なぜ選びましたか? 選ばなかった場合はなぜやめましたか?
    4. 全プロセスにおいて、「マーケット・リサーチ」を1回でも選択した場合、なぜ選びましたか? 選ばなかった場合はなぜやめましたか? 「マーケット・リサーチ」を利用することのメリット・デメリットは何ですか?
    5. 全プロセスにおいて、「フードトラック」を1回でも選択した場合、なぜ選びましたか? なぜ「プッシュカート」ではなく、「フードトラック」を選びましたか?
文献リスト (オプション)
  • デイビッド・コリス、「機敏で優れたイノベーションを生むためにリーンスタートアップに戦略を融合させる」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2016年8月号 [DB]
  • 牧兼充、「スターサイエンティスト研究で明らかになった「失敗のマネジメント」がイノベーションを生む」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2020年3月号 [DB]
  • 牧兼充、「「科学的実験」が拓くイノベーションの未来」、人間会議、2020夏号
  • Stefan Thomke and Donald Reinertsen, “Agile Product Development: Managing Development Flexibility in Uncertain Environments,” California Management Review, No. CMR130, Fall 1998, Vol. 4, No. 1, pp. 8-30. [HBSP]
第3回 (6/5 6限): 科学技術の商業化 (1) 
トピック
  • エレベーター・ピッチ / グループ分け
  • Quicklookの概要
事前課題
  • 第1回の授業で紹介した技術シーズの中から興味を持つシーズを1つ選び、文献を読み込んだ上で、ビジネスの応用可能性について、400字程度でまとめること。授業時に、30秒程度のエレベーター・ピッチを行ってもらうので、準備をしておくこと。その他、アンケート項目に答えること。
文献リスト(必須)
  • 板倉宏昭「技術的シーズの商業化に関する研究–クイックルックの事例・ABC社のPPC技術」[DB]
  • The IC2 Institute 2005-2007, “Quicklook Report” (テンプレート) [DB]
文献リスト (オプション)
  • ピーター・F・ドラッカー、「イノベーションの機会」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー 2010年6月号 [DB]
  • William A. Sahlman, “Some Thoughts on Business Plans,” Harvard Business School Case No. 9-897-101, November 14, 1996, pp. 1-32. [HBSP]
オンデマンド2: 科学的思考法の基礎
トピック
  • 科学的思考法の基礎: 「ビジネス・プロフェッショナルのためのサイエンス(1)」(牧兼充作成)
課題
  • ビデオを見て内容を理解しておくこと
第4回 (6/12 5限): イノベーションにおける仮説検証プロセス
トピック
  • ケース教材「チーム・ニュージーランド(A)」に基づいて、仮説検証の重要性について学ぶ。
事前課題
  • ケース教材「チーム・ニュージーランド(A)」を読み込み、以下の設問に答えよ。
    1. チーム・ニュージーランドのデザインプロセスにおけるシミュレーションの活用をどのように評価するか? 長所と短所は何か? 彼らのアプローチは他のチーム比べて、どのように異なるのでしょうか。
    2. チーム・ニュージーランドは3つのどの戦略をとるべきでか。その理由は? それぞれの戦略により、どの程度の改善が見込まれると考えられるか? (事前にオンラインで投票)
      • A) 似たタイプの2つのボートを今すぐに
      • B) 違うタイプの2つのボートを今すぐに
      • C) 1つのボートを今すぐに、もう一つのボートを後に
文献リスト(必須)
  • ハーバード・ビジネス・スクール・ケース「チーム・ニュージーランド(A)」[HBSP]
第5回 (6/12 6限): 科学技術の商業化 (2) 
トピック
  • 発表者インタビューを行う前に、科学技術に関する既往資料を読み込み、Idea Evaluationによる技術の用途探索を行う。Quicklookのテンプレートを用いて、以下の点についての議論をグループごとに行う。
    • QL-1: 技術の概要
    • QL-2: 技術の便益
    • QL-3: 想定される潜在市場
    • QL-4: 市場の関心
事前課題
  • 技術シーズに関する関連資料を読み込み、Quicklookの1-4までを可能な限り埋めてくること (グループ課題)。
  • 技術シーズに関する関連資料を読み込み、研究者への質問リストを作成してくること (グループ課題)。
文献リスト(オプション)
  • Jacob Goldenberg, Roni Horowitz, Amnon Levav and David Mazursky, “Finding Your Innovation Sweet Spot,” Harvard Business Review, Reprint No. R0303J, March 2003, Vol. 81, Issue 3, pp. 120-129.
  • Denis Rohan, Jocelyn Hornblower, “Identifying Venture Opportunities”, Stanford Graduate School of Business Case: E-323, November 18, 2008, pp. 1-16
  • Louise A. Heslop, Eileen McGregor, and May Griffin, “Development of a Technology Readiness Assessment Measure: The Cloverleaf Model of Technology Transfer,” The Journal of Technology Transfer, Vol. 26, No. 4, October 2001, pp. 369-384.
  • Clayton Christensen, “Patterns in the Evolution of Product Competition,” European Management Journal, April 1997, Vol. 15, No. 2, pp. 117-127.
  • Jeanne M. Liedtka, Timothy Ogilvie, “Industry and Background Note: Ten Tools for Design Thinking”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
  • Jeanne M. Liedtka, “Putting Technology in Its Place: Design Thinking’s Social Technology at Work, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
  • Dorothy Leonard, Jeffrey Rayport, “Spark Innovation Through Empathic Design”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
オンデマンド3:  特許 & マーケットリサーチ
トピック
  • 「特許調査の基礎」 – 上條由紀子 氏 (長崎大学FFGアントレプレナーシップセンター教授・弁理士) – オンデマンド
  • 「ZUVAの使い方」- 櫻井崇之氏 (ZUVA株式会社代表取締役) – オンデマンド
事前課題
  • ビデオを見て内容を理解しておくこと
文献リスト(オプション)
  • J.G. Conley and D. Orozco, “Technical Note: Innovation and Invention – A Patent Guide for Inventors and Managers, Kellogg School of Management, Technical Note KEL104, August 1, 2007. [HBSP]
  • 隅蔵康一著、「理工系のための特許、技術移転入門」、岩波書店、2003年 [書籍]
第6回 (6/19 5限):  仮説検証のプロセス・インタビューの手法
トピック
  • 仮説検証のプロセス
  • リーンスタートアップ・実験
  • 「科学的思考法」の基礎とリーン・スタートアップの関係について理解する
  • インタビューの手法
事前課題
  • なし
文献リスト(必須)
  • Thomas R. Eisenmann, Eric Ries, Sarah Dillard, “Industry and Background Note: Hypothesis-Driven Entrepreneurship: The Lean Startup”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBS]
  • Stanford d.school, “Empathy Fieldguide” [DB]
  • Stanford d.school, “What to do in Need Finding” [DB]
文献リスト(オプション)
  • Thomas R. Eisenmann, Eric Ries, Sarah Dillard, “Core Curriculum Entrepreneurship Reading: Experimenting in the Entrepreneurial Venture”, Harvard Business School Publishing, 2014 (#8077-PDF-ENG) [HBSP]
  • Greg Satell, “This Program Uses Lean Startup Techniques to Turn Scientists into Entrepreneurs”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
  • Vijay Govindarajan, Chris Trimble,  “Break Down the Hypothesis: The Importance of the Hypothesis of Record in Evaluating the Progress of an Innovation Initiative”, Harvard Business School Publishing, 2021
  • Claudia Rothke, Robert Wayne Gregory, Evgeny Kaganer, “Industry and Background Note: Hypothesis-Driven Experimentation”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
  • Donald N. Sull, “Disciplined Entrepreneurship”,  Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
  • Stanford d.school, “Understanding the User Experience: Empathy Tools and Techniques” [DB]
第7回 (6/19 6限): 科学技術の商業化 (3) 
トピック
  • Quicklookのテンプレートを用いた演習を引き続き行う。特に以下の点についての議論をグループごとに行う。
    • QL-5: 開発状況
    • QL-6: 知財の状況
    • QL-7: 競合分析
    • QL-8: 市場参入の障壁 (課題)
事前課題
  • インタビューなどを行い、Quicklookの5-8までを可能な限り埋めてくること (グループ課題)。
文献リスト(オプション)
  • Christensen, Clayton M. and Michael Overdorf, “Meeting the Challenge of Disruptive Change,” Harvard Business Review, Reprint No. R00202, March-April 2000, Vol. 78, Issue 2, pp. 66-76. [DB]
  • W. Chan Kim and Renée A. Mauborgne, “Creating New Market Space,” Harvard Business Review, Reprint No. 99105, January-February 1999, Vol. 77, Issue 1, pp. 83-93. [HBSP]
  • Mohanbir Sawhney, Sridhar Balasubramanian and Vish Krishnan, “Creating Growth with Services,” MIT Sloan Management Review, Winter 2004, Vol. 45, Issue 2, pp. 34-43. [HBSP]
第8回 (6/26 5限): 中間発表 – 科学技術の商業化 (4) 
トピック
  • Quicklookのテンプレートを用いた演習を引き続き行う。QL-1-9まで全ての結果を持ち寄り、グループごとにブラッシュアップを受ける。特に、QL-9およびレーティングで、チームとしての市場参入戦略の結論を提案すること。
    • QL-9: レーティング及び結論
  • この日は、各グループをサポートするメンターを数名お呼びする予定である。
事前課題
  • QuickLookの1-9までを可能な限りすべて埋めてくること (グループ課題)。
文献リスト(オプション)
  • W. Chan Kim and Renee Mauborgne, “Knowing a Winning Business Idea When You See One” Harvard Business Review. Reprint R50010, September 1, 2000, pp. 1-15 [DB]
  • James C. Anderson, James A. Narus and Wouter Van Rossum, “Customer Value Propositions in Business Markets,” Harvard Business Review, Reprint No. R0610H, March 2006, Vol. 84, No. 3, pp. 90-99. [DB]
  • Thomas R. Eisenmann, “Industry and Background Note Business Model Analysis for Entrepreneurs”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
第9回 (6/26 6限): 早稲田大学を取り巻くスタートアップ・エコシステム 
トピック
  • 早稲田大学を取り巻くスタートアップ・エコシステムの概要を理解する
  • ゲスト・スピーカー
    • 朝日透氏 (早稲田大学理工学術院教授 / WASEDA-EDGE 人材育成プログラム 実行副委員長)
    • 島岡未来子氏 (早稲田大学政治経済学術院教授(公共経営専攻)/ 神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーションスクール教授 /WASEDA-EDGE 人材育成プログラム 事務局長)
    • 喜久里要氏 (早稲田大学 リサーチイノベーションセンター知財・研究連携担当課長(知財・研究連携支援、アントレプレナーシップ担当)) (遠隔参加)
事前課題
  • なし
文献リスト(必須)
  • Mikiko Shimaoka, Toru Asahi, Tatsuhiko Inoue, Tomomi Kito, Takahiro Ohno and Shozo Takata, “Entrepreneurship Education at Waseda University, Japan: Challenges in Integrating Entrepreneurship Education Programs Across Universities and Beyond”, 2021 [DB]
第10回 (7/3 5限): イノベーションを創出するためのエコシステム
トピック
  •  ケース「ランガー研究所」のディスカッションを通じて、イノベーションを創出するためのエコシステムについて学ぶ。
事前課題
  • ケース教材「ランガー研究室」を読み込み、以下の設問に答えよ。
    1. ランガー研究室は成功していると言えるか? その理由は?
    2. ランガー自身はどのような役割を果たしているか?
    3. イノベーションと高い生産性は何が要因で続いているのか。
文献リスト(必須)
  • H. Kent Bowen, Alex Kazaks, Ayr Muir-Harmony, Bryce C. Lapierre, “The Langer Lab: Commercializing Science, Japanese Version”,
文献リスト(オプション)
  • Karim R. Lakhani, Hong Luo, Laura Katsnelson, “Market for Judgement: Creative Destruction Lab”, Harvard Business School Publishing, 2021
  • 高田仁. “「パスツール型」 研究者と大学発ベンチャーの関係性に関する考察~ 会社設立の背景と役割分担に関する事例分析から~.” 研究 技術 計画 35.3 (2020): 305-315. [DB]
  • Steven Prokesch, “The Edison of Medicine”, Harvard Business School Publishing, 2021 [DB]
第11回 (7/3 6限): 大学を基盤とした科学技術の商業化
トピック
  • 大学を基盤とした科学技術の商業化
  • ゲストスピーカー: 山本貴史氏 (株式会社東京大学TLO代表取締役社長)
事前課題
  • なし
参考
  • 渡部俊也、隅蔵康一著、「TLOとライセンスアソシエイト」、株式会社BKC、2002年 [書籍]
第12回 (7/10 5限):  科学技術の商業化プロセス
トピック
  • 科学技術の商業化プロセスを、ケース”E-Ink in 2005″を通じて学ぶ。
事前課題
  • ケース教材“E Ink in 2005を読み込み、以下の設問に答えよ。
    1. E Inkの何がうまくいったか。何がうまくいかなかったのか? 別のやり方があったとすればそれは何か。
    2. あなたがVCだとして、E Ink に投資するか。
    3. 会社が存続に必要なお金を確保できると仮定して、あなたがCEOならば何をするか。どの市場を攻めるか。また、どのビジネスモデルを採用するか。
文献リスト(必須)
  • David B. Yoffie and Barbara J. Mack, “E Ink in 2005”, Harvard Business School Case No. 9-705-506, Revised March 2, 2006, pp. 1-24. [HBSP]
文献リスト(参考)
  • Stefanos Zenios, Joshua Spitzer, “EndoNav”, Harvard Business School Case, 2021 [HBSP]
  • Thomas R. Eisenmann, Michael Pao, Lauren Barley, “Dropbox: ‘It Just Works'”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
  • Myra M. Hart, Michael J. Roberts, Julia D. Stevens, “Zipcar: Refining the Business Model, Japanese Version”, Harvard Business School Publishing, 2021 [HBSP]
第13回 (7/10 6限):  NarrativeとStorytellingとプレゼンテーション
トピック
  • プレゼンテーションにおいて重要となるNarrative及びStorytellingの技術について学ぶ。
  • ケース:
事前課題
  • Moodleに掲載されている”Learning How to Pitch 01 & 02″の最初の1分を視聴し、プレゼンテーションの冒頭で聴衆の興味をどのように惹きつけているかを考察せよ。
  • 以下の動画を視聴し、なぜこの動画が優れているかをまとめよ。
  • 以下の動画を視聴し、プレゼンテーションの手法について検証せよ。
参考
  • Kimberly D. Elsbach, “How to Pitch a Brilliant Idea,” Harvard Business Review, Reprint No. R0309J, September 2003, Vol. 81, Issue 9, pp. 117-123. [HBSP]
  • ナンシー・デュアルテ著、「ザ・プレゼンテーション」、ダイヤモンド社、2012 年 [書籍]
第14回・第15回 (7/17 5・6限): 「Quicklookを活用した科学技術の商業化」最終発表会 / Wrap-up
トピック
  • Quicklookを活用した科学技術商業化最終発表会
  • ベンチャー・キャピタリストや大学技術移転の関係者を評価者として招聘する。
  • ゲスト評価者
    • 授業協力者の項目を参照
事前課題
  • QuickLookに基づく科学技術の商業化の推奨案についての最終プレゼンテーションを準備すること。
参考
  • なし


10.関連情報

  • この授業は、以下の大学における授業を参考にしており、授業設計にあたっては様々なアドバイス示唆をいただいた。ここに感謝したい。
    • カリフォルニア大学サンディエゴ校 “Lab to Market” (担当: Vish Krishnan教授)
    • 九州大学ビジネススクール「産学連携マネジメント」(担当: 高田仁教授)
  • 授業への持ち込みのご協力をいただく主な研究シーズ
    • PIFu技術 (Pixel-Aligned Implicit Function for High-Resolution Clothed Human Digitization)
      • 森島繁生氏 (早稲田大学理工学術院先進理工学部)
    • 深層学習を用いた人間工学データ拡張技術の検討
      • 河合隆史氏 (早稲田大学理工学術院基幹理工学部)
    • 同調と主張に基づく人共存型モビリティの協調移動技術
      • 亀﨑允啓氏 (早稲田大学理工学術院大学院創造理工学研究科)
    • ソフトインフレータブルロボット
      • 石井裕之 氏(早稲田大学理工学術院創造理工学部)
    • 脳波計測ヘッドフォン
      • 三木則尚氏 (慶應義塾大学理工学部機械工学科)
    • 超音波モータ
      • 竹村研治郎氏 (慶應義塾大学理工学部機械工学科)
  • 授業運営スタッフ
    • ティーチング・アシスタント
      • 土肥淳子氏 (早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター招聘研究員 / WBS2017年度修了)
      • 森田善人氏 (早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター招聘研究員 / WBS2019年度修了)
    • 早稲田大学オープン・イノベーション戦略研究機構 科学技術と新事業創造リサーチ・ファクトリー
      • 渡邊崇之氏 (ファクトリー・クリエイティブ・マネージャー: FCM)
      • 塩月亨氏 (ファクトリー・クリエイティブ・マネージャー: FCM)
  • 授業運営協力者
    • ゲスト参加
      • 高田仁氏 (九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターセンター長 / 経済学研究院産業マネジメント部門 (ビジネススクール) 教授 – オンデマンド
      • 上條由紀子 氏 (長崎大学FFGアントレプレナーシップセンター教授・弁理士) – オンデマンド
      • 櫻井崇之氏 (ZUVA株式会社代表取締役) – オンデマンド
      • 山本貴史氏 (株式会社東京大学TLO代表取締役社長)
      • 朝日透氏 (早稲田大学理工学術院教授 / WASEDA-EDGE 人材育成プログラム 実行副委員長)
      • 島岡未来子氏 (早稲田大学政治経済学術院教授(公共経営専攻)/ 神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーションスクール教授 /WASEDA-EDGE 人材育成プログラム 事務局長)
    • 最終審査員
      • 阿部博氏 (有限責任あずさ監査法人パートナー/公認会計士)
      • 大澤弘治 氏 (Global Catalyst Partners Japan Managing Director)
      • 茂澄祐亮 氏 (損害保険ジャパンビジネスデザイン戦略部 特命部長)
    • メンター (調整中)
      • 金崎寛氏 (損害保険ジャパン株式会社ビジネスクリエーション部特命課長、WBS2018年度修了)