大学発ベンチャーの成功における発明者の関与に関する研究 研究課題 (16K17193)

研究期間 (年度)
2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード
大学発ベンチャー / 発明者 / 関与 / SBIR / ベンチャー・キャピタル / 製品出荷 研究実績の概要 本研究は、ベンチャー企業の成長に応じたステージ別のモデルを導入することにより、大学発ベンチャーの成功 における発明者の関与メカニズムについて検証を目的である。大学発ベンチャー企業における発明者の創業チームメンバーとしての関与は、学術的にも実務的にも重要な研究課題の一つである。
 具体的には「大学発ベンチャー企業における発明者の関与は、ベンチャー企業の成功確率を高める」、「経営資金の獲得は、 発明者の関与のベンチャー企業の成功確率の向上への影響を媒介する」などの仮説の検証を行った。
 ベンチャー企業の成功指標として組織としての生存及びエグジット(株式市場への公開もしくはM&A)を用いた。経営資金の獲得としてSBIR補助金の獲得、ベンチャーキャピタルによる投資、製品出荷を中間変数(マイルストーン)として用いた。これらの変数をベースに、サバイバル分析を用いた定量分析を行い、具体的には以下の項目について検証した。
   - 各イベントのサバイバル分析
   - 産業セクター別の差の分析
   - 研究費別の差の分析
   - 性別及び人種による差の分析
 続いて、ベンチャー企業の創業者に対するインタビュー調査を行い、以下の項目についての調査を行った。
   - 発明者の所属、バックグラウンド (ビジネス経験の有無)
   - 創業者の所属、バックグラウンド(ビジネス経験の有無等)
   - 創業チームをどのようなプロセスで形成したか
   - 発明者のベンチャー企業への創業者以外の立場での関与
   - 発明者のベンチャー企業への関与の大きさ (兼職の有無、コミット量)
   - ベンチャー企業のマネジメントチームの変遷
   - 発明者の関与のSBIR獲得への影響
   - 発明者の関与のベンチャー・キャピタルからの投資への影響
   - 発明者の関与 の製品出荷への影響
   - 発明者の関与における大学の制度(利益相反規定、休職制度)の影響
 その他、カリフォルニア大学のTLOやUC Office of President等へのインタビューを行い、バックグラウンドの調査を行った。
 成果をワーキング・ペーパーの形でとりまとめ、公開している。本研究の主要な成果は現在査読付き学会誌にて審査中である。その他、成果について多数の学会発表や招待講演を行った。
現在までの達成度 (区分)
2 : おおむね順調に進展している 理由
3年間の研究期間を経て、当初の目指した研究計画の各項目については、一通り達成した。研究成果は可能なものについては公開済みである。本研究の主要な成果は現在査読付き学会誌にて審査中である。
本研究の成果に基づいて、新たな研究プロジェクトなども生まれ、その研究資金も獲得している。 今後の研究の推進方策
本研究の主要な成果は、現在査読付き学会誌にて審査中であり、結果によっては引き続き修正をする必要がある。また本研究の一部から派生した研究については、現在海外の共同研究者と共に分析及び成果のとりまとめを行っており、近日中の査読付きジャーナルへの投稿を目指している。
その他、本研究を発展させる形で、新たな科研費「カリフォルニア大学発ベンチャー企業におけるスター・サイエンティストの役割の研究 (18K12859)」を獲得した。この研究において整備したデータセットについては、引き続き今後の多様な研究に活用していく予定である。
研究実績
  • 【雑誌論文】
    • 牧兼充、「大学発ベンチャー企業における発明者の関与に関する研究 – カリフォルニア大学を事例として -」、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター 科学技術とアントレプレナーシップ研究部会ワーキング・ペーパー、2019年5月 [査読なし]
    • その他、現在査読中の論文1本、共同研究者と執筆中1本。
  • 【学会発表】
    • 「The Role of SBIR Awards – Decomposing the Characteristics of University-based Startups – Preliminary Results」、京都大学、2018年2月 [招待講演・査読なし]
    • Maki, KM., “The Role of SBIR Awards for University-based Startups: Are They Substitutes or Complement for the Venture Capital Funding”, International Workshop “University-Industry Linkages and Innovation” (Bologna), June 2017 [学会発表、査読あり]
    • “The Role of SBIR Awards – Decomposing the Characteristics of University-based Startups -“, Knowledge and Cognitive Systems Working Group and the Creativity and Innovation Workshop at University of California Los Angeles, February 2017 [招待講演・査読なし]
    • “The Role of SBIR Awards for the University-based Start-ups”, Asian Innovation Project, APARC, Stanford, February 2017 [招待講演・査読なし]
    • “The Role of SBIR Awards for the University-based Start-ups”, NUS Entrepreneurship Centre: Science, Technology & Innovation Policy Research Seminar, January 2017 [招待講演・査読なし]
    • 「大学発ベンチャー企業の成功要因の分析 -カリフォルニア大学を事例に- Preliminary Results」、東北大学「企業と産業のイノベーションに関する研究会」、2016年12月 [招待講演・査読なし]
    • “Milestones to University-Based Startup Success: What is the Impact of Team Composition?”, Waseda Organizational and Financial Economics Seminar, July 2016 [招待講演・査読なし]
  • 【図書】
    • 木村 公一朗・牧 兼充、「序章: アジアの起業とイノベーション」、JETROアジア経済研究所「アジアの起業とイノベーション」研究会編「アジアの起業とイノベーション』(仮題)、出版準備中
    • 牧兼充・吉岡(小林)徹、「1.1.3 大学発ベンチャー」、科学技術イノベーション政策研究センター編「科学技術イノベーション政策の科学: コアコンテンツ」、2019年4月、https://scirex-core.grips.ac.jp/1/1.1.3/main.pdf
  • 【研究成果による産業財産権の出願・取得状況】
    • 特になし
  • 【科研費を使用して開催した国際研究集会】
    • 特になし
  • 【本研究に関連して実施した国際共同研究の実施状況】
    • 米国、カリフォルニア大学サンディエゴ校、共同でデータの分析・論文の共著
    • 米国、カリフォルニア大学デービス校、共同でデータの分析・論文の共著
    • イギリス、インペリアル・カレッジ・オブ・ロンドン、共同でデータの分析・論文の共著
    • イタリア、ボローニャ大学、共同でデータの分析・論文の共著
備考
   http://www.kanetaka-maki.org/research/kaken2016/