2023年度夏クォーター: 「Lab to Market: 科学技術の商業化と科学的思考法」

2023年度夏クォーター

「Lab to Market: 科学技術の商業化と科学的思考法」

授業シラバス

2023年7月1日現在 (引き続き編集中) 

アントレプレナーシップをサイエンスにしたい人へ

 

授業担当者: 牧 兼充 (kanetaka@kanetaka-maki.org)
オフィス: 早稲田キャンパス11号館1136号室
学期・曜日・時限: 夏クォーター/ 土曜日 / 5限(17:00-18:40)、6限 (18:55-20:35)
教室:  11-902
ティーチング・アシスタント: プリチャード・ブレンドン、杜雅楠
メンター・コーディネータ: 東 治臣

このシラバスはあくまで暫定版であり、今後必要に応じて変更する。

 

1.授業概要

この授業は、「技術経営」と「アントレプレナーシップ」の融合領域である。この授業の特徴は、「サイエンス」と「アントレプレナーシップ」の関係を (1) シーズとしての「サイエンス」の商業化、 (2) 新事業創造の手法における「サイエンス」の活用、の 2 つの観点から掘り下げる点にある。更に、この授業では、現在米国の大学で用いられている英語によるアントレプレナーシップの教材を用いる。アントレプレナーシップ教育のカリキュラムは日々進化しており、英語による優れた教材が近年増えているためである。

授業は大きく分けて、二つのトピックを扱う。第一のトピックとして、「科学的思考法」を用いた新事業創出法について学ぶ。リーンスタートアップを始めたとした新事業創造手法は、本来的には「科学的思考法」に基づいた仮説検証のプロセスそのものである。近年の米国のアントレプレナーシップの教科書ではこのような「科学的思考法」をとりあげることが増えている。授業においては、ケース教材、シミュレーション、論文などを活用しながら、「科学的思考法」の新事業創造の基礎について学ぶ。この手法は、WBSが重視する修士論文にも直接役立つものであり、この授業は研究法の側面も持つ。

第二のトピックとして、科学技術からどのように新事業を創出していくのか、技術評価及びビジネスモデル策定に関する多様なフレームワークを学ぶ。更に、早稲田大学オープン・イノベーション戦略研究機構との連携のもと、大学のシーズの評価を行い、ビジネス化の可能性を検証をする。具体的にはNASAにより開発されたQuickLookというフレームワークを用いる。

Lab to Market という授業名はもともと、カリフォルニア大学サンディエゴ校のビジネススクールでスタートした、科学技術を商業化する手法を学ぶためのプログラムであり、近年はハーバードビジネススクールにおいても同様の授業名がある。この授業では、それらの授業で用いられている教材なども積極的に活用する。各回に事前予習課題が配布される。また英語の教材も含まれる。

これらを統合した最終課題として、技術シーズのマーケットの評価をグループ形式にて発表を行う。

2.授業の到達目標

コース終了時に以下の能力を身につけていることを目標とする。

  • 仮説検証プロセスに関する思考力
  • 科学的思考法を活用した新事業創造手法
  • 科学技術の市場性に関するの評価手法

3. 事前・事後学習の内容

  • 各回に事前予習を行うことが求められる。
  • 割り当てられた技術シーズに関する市場評価を行うことを目的としたグループワークへの積極的な参加が求められる。NASAにより開発されたQuickLookは、20-40時間が必要であると言われており、この作業をグループ・メンバーで分担して行う。

4.授業計画 (主なトピック)

  • イントロダクション
  • アントレプレナーシップとは何か
  • 技術シーズの持ち込み
  • 技術評価ワークショップ
  • 科学的思考法とは?
  • 科学的思考法のアントレプレナーシップ分野での活用
  • ナラティブとプレゼンテーション
  • 大学を基盤としたイノベーション創出に関する理論と実践への応用手法
  • 中間発表とフィードバック
  • 最終発表

詳細は「スケジュール・課題など」の項目を参照のこと。

5.教科書

6.参考文献

7.成績評価方法

項目 割合(%) 評価基準
クラスへの貢献点 30% 授業の出席、発言回数、発言の質などによって評価する。
事前課題の提出 30% 各回の事前課題の提出状況及び必要に応じてその質により評価する。
最終発表 40% 最終発表会のプレゼンテーションの質により評価する。

8.備考・関連URL

  • 授業は全てディスカッション形式である。必ず各回の授業の準備をしっかり行ってくること。議論の質は担当教員の力以外にも、履修者の準備の量によって規定される。
  • この授業は、時間通りに開始し、可能な限り時間通りに終了する。授業の質を下げないために、履修者は時間を守ること。全授業に出席することを前提としている。もし欠席する場合には、授業のTAまで事前に連絡すること。
  • 欠席した際には、カバーした内容を自分で責任持って学習すること。
  • 必要に応じて、授業終了後には懇親会を開催する。授業後に、読んだ論文の議論や各自の研究テーマの議論をすることは有益である。
  • この授業ではLearning Communityの構築を目指して、過去の履修者にメンターとして、ご協力いただきます。過去の履修者が授業に参加する場合があるので、あらかじめご了解ください。
  • 授業担当者の個人サイト : https://www.kanetaka-maki.org/

9.授業履修に際してのHonor Code

  • 早稲田大学ビジネススクールの定める「WBS 授業履修に際しての Honor Code」を遵守すること。
  • 本授業における Honor Code
    • 全ての課題については、履修者同士で相談しても構わない。必要に応じて、グループで議論することを推奨する。
    • 全ての授業準備、課題については、過去の授業の履修者、もしくは他大学における配布資料・ノート・授業スライドなどを参照することを禁止する。

10. この授業におけるAIツール活用に関する方針 (Ethan Mollick氏のシラバスをベースに一部改編)

  • この授業では学生がAI (GenerativeAIのツールとしてのChatGPTを含む様々なAIツール)を活用することを期待している。AIを活用する力は現代社会における必須スキルである。これらのツールの活用の仕方について授業においても取り上げる。
  • ChatGPTの限界を理解した上で利用すること
    • あまり深く考えられていないプロンプトを入力すると、質の低い結果が出力される。良い結果を得るためには、プロンプトを工夫する必要がある。これにはそれなりの訓練が必要である。
    • 出力結果の内容を信頼してはならない。出力結果の中には数字や「事実」が含まれるが、自分が元々知識を持っているか、他の参考文献により確認しない限りは、誤ったものとして扱うこと。このツールを活用することで生じる内容の誤りについては、自分で全責任を持たなくてはならない。従って、自分が良く知っているトピックに関して、使いやすいツールであると言える。
    • AIはツールであるが、利用した場合にはその旨を示す必要がある。もしAIを利用した場合には、AIをどのように利用したか、結果を得るためにどのようなプロンプトを利用したかを、全ての課題において具体的に示すこと。AIの利用法を示さないことはHonor Codeの違反であり、不正行為となる。
    • このツールをどういう時に利用するべきかを自覚的に考えること。このツールを利用することが相応しくないと考えられる時には、利用しないこと。
  • 授業で活用するにあたっての参考URL

11. “Equity, Diversity, Inclusion, and Belonging”の尊重

  • この授業は、インクルーシブであることを前提としています。
  • この授業では、すべての学生が、人種、自認する性別、性的指向性、社会的地位、年齢、障がいの有無、宗教、出身地域、国籍、言語の得意・不得意、その他個々人の多様性を生み出すものすべての観点において、同等に学ぶ権利を提供することを目指しています。
  • この授業がインクルーシブであるほど、多様性が生まれ、イノベーションや創造性が強化され、皆さんの学びの体験が向上します。
  • インクルーシブや授業の実現のためには、履修者の皆さんのご理解が不可欠です。どうか積極的に参加し、助け合って、そして皆さんのピアのことの理解を深めてください。多様性、人とは違うということを相互にリスペクトし、それを強みにしましょう。
  • 授業のオンライン化・ハイフレックス化は、学生が授業に「所属している」(Belonging)という感覚を減少させました。この授業では対面を重視することで、また多様な工夫を取り込むことにより、履修者の皆さんの”Belonging”を大切にして、より良いラーニング・コミュニティの構築を目指します。

12. 本授業を担当するにあたっての「学びの哲学」

私が本授業を担当するにあたっての「学びの哲学」は以下の通りです。

  • 質の高いLearning Communityの醸成: 教員と学生の両方が授業にコミットすることが前提です。
  • Peer Effect: 学生個々人の行動は、自分のみならず他者の学習の質に影響するという責任感を持つ人が集まる授業であること。そこに賛同いただけない方にまでInclusiveである必要はないと考えています。
  • Equity, Diversity, Inclusion and Belonging: あらゆるバックグラウンドの人がrespectされる授業でありたい。ただし、EquityなきDiversity and Inclusionは成り立たないと考えています。
  • クラブ財としての授業: Learning CommunityはLife Longです。学費を払ってるのだから良いサービスを受けて当然という思考性の方は、学費を払わなくなったら人間関係がそこで終了します。クラブ財は会費制による相互によるcommonsの構築・運営により成り立ちます。そのために一人ひとりの「貢献」を求めます。
  • Learning Scienceとしての実践: 「学びの科学」を前提として授業構成を考えています。教室は楽しくワクワクする空間である必要があります。講義形式(Explanation)ではなく、体験型(Experiential)な授業構成を最大限目指します。
  • 先端的なテクノロジーの活用: この授業は新しいテクノロジーを積極的に導入します。TAによるサポートを前提としますが、各自でITリテラシーを向上していただくことを求めます。
  • 実験と失敗: 授業では常に新しい授業の形を追求します。常に新しい「実験」を試みますが、当然失敗することも数多くあると思います。そのプロセスも含めて、皆様にイノベーションとは何かを学んでいただきます。
  • 聴講の学生のinclusionと貢献: 聴講も履修者と同じコミットを求めます。より厳密にいうと大学内での教員の評価は履修者数でなされますから、聴講を認めるというのは、教員としては自分の評価は上がらない形でボランタリーに学ぶ場を提供するということです。従いまして、履修者以上に、learning communityへ貢献していただくという前提で受け入れていることをご理解ください。

13.スケジュール・課題など

第1週 (6/10 5限): イントロダクション – オンライン・5限のみなので注意
トピック
  • イントロダクション
  • 授業のオーバービュー
  • 科学技術の商業化とは?
  • 「科学的思考法」と仮説検証プロセス
  • シーズの紹介
事前課題
  • シラバスに目を通し、授業の概要について理解しておくこと。
文献リスト (参考)
  • ハーバード・ビジネス・レビュー編、「起業家は科学的手法を使うべきである」、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2021年2月号 [DB]
  • Arnaldo Camuffo, Alessandro Cordova, Alfonso Gambardella, Chiara Spina (2020) A Scientific Approach to Entrepreneurial Decision Making: Evidence from a Randomized Control Trial. Management Science 66(2):564-586. [DB]
オンデマンド授業1: 大学の技術の商業化
トピック
  • 講演「大学発技術の商業化 – 実践的な教育の視点から -」
  • 高田仁氏 (九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターセンター長 / 経済学研究院産業マネジメント部門 (ビジネススクール) 教授
課題
  • ビデオを見て内容を理解しておくこと
文献リスト(参考)
  • 高田仁, et al. “産学連携型アントレプレナーシップ教育に関する考察~ 技術商業化を担う人材育成プログラムの特徴と効果~.” 研究 技術 計画 33.2 (2018): 144-153. [DB]
  • Niels Reimers著、「大学及び大学教員は産業界と連携すべきか?」、1999年 [DB]
第2週前半 (6/17 5限): イノベーションにおけるプロトタイプの役割
トピック
  • シミュレーション”The Food Truck Challenge”を通じて、プロトタイプの重要性を議論する。
事前課題
  • “The Food Truck Challenge”(Product #: 7201-HTM-ENG)を実際に操作し、以下の設問に答えよ。
    1. シミュレーションにおいて、一番最初の意思決定としては、どの選択肢を選びましたか。そのときの理由は何ですか?
    2. シミュレーションが進行するに連れて、マーケットからのフィードバックをどのように評価し、選択肢を選ぶにあたって参考にしましたか?
    3. 全プロセスにおいて、「プッシュカート」を1回でも選択した場合、なぜ選びましたか? 選ばなかった場合はなぜやめましたか?
    4. 全プロセスにおいて、「マーケット・リサーチ」を1回でも選択した場合、なぜ選びましたか? 選ばなかった場合はなぜやめましたか? 「マーケット・リサーチ」を利用することのメリット・デメリットは何ですか?
    5. 全プロセスにおいて、「フードトラック」を1回でも選択した場合、なぜ選びましたか? なぜ「プッシュカート」ではなく、「フードトラック」を選びましたか?
文献リスト (必須)
  • 牧兼充、「スターサイエンティスト研究で明らかになった「失敗のマネジメント」がイノベーションを生む」、ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2020年3月号 [DB]
第2週後半 (6/17 6限): 科学技術の商業化 (1) 
トピック
  • エレベーター・ピッチ / グループ分け
  • Quicklookの概要
事前課題
  • 第1回の授業で紹介した技術シーズの中から興味を持つシーズを1つ選び、文献を読み込んだ上で、ビジネスの応用可能性について、400字程度でまとめること。授業時に、30秒-1分程度のエレベーター・ピッチを行ってもらうので、準備をしておくこと。
  • 希望シーズのアンケートに答えること。
オンデマンド2: 科学的思考法の基礎
トピック
  • 科学的思考法の基礎
課題
  • ビデオ「ビジネス・プロフェッショナルのためのサイエンス(1)」(牧兼充作成)を見て内容を理解すること。
  • 「科学的思考トレーニング」(PHPビジネス新書)を通読すること。
第3回週前半 (6/24 5限): 科学技術の商業化 (2) 
トピック
  • QuickLookの使い方のオーバービュー
  • インタビューの手法
  • 発表者インタビューを行う前に、科学技術に関する既往資料を読み込み、Idea Evaluationによる技術の用途探索を行う。Quicklookのテンプレートを用いて、以下の点についての議論をグループごとに行う。
    • QL-1: 技術の概要
    • QL-2: 技術の便益
    • QL-3: 想定される潜在市場
    • QL-4: 市場の関心
事前課題
  • 文献リスト(必須)を読み込むこと。
  • 技術シーズに関する関連資料を読み込むこと。
  • 研究者への質問リストを作成してくること (グループ課題)。
文献リスト(必須)
  • 板倉宏昭「技術的シーズの商業化に関する研究–クイックルックの事例・ABC社のPPC技術」[DB]
  • The IC2 Institute 2005-2007, “Quicklook Report” (テンプレート) [DB]
第3週後半 (6/24 6限): 科学技術の商業化 (3)  ブレインストーミングと仮説検証
トピック
  • ブレインストーミングのやり方
事前課題
  • なし
文献リスト(参考)
  • Stanford d.school, “Empathy Fieldguide” [DB]
  • Stanford d.school, “What to do in Need Finding” [DB]
  • Stanford d.school, “Understanding the User Experience: Empathy Tools and Techniques” [DB]
オンデマンド3:  特許
トピック
  • 「特許調査の基礎」 – 上條由紀子 氏 (長崎大学FFGアントレプレナーシップセンター教授・弁理士) – オンデマンド
事前課題
  • ビデオを見て内容を理解しておくこと
文献リスト(参考)
  • 隅蔵康一著、「理工系のための特許、技術移転入門」、岩波書店、2003年 [書籍]
第4週前半 (7/1 5限): 科学技術の商業化 (4)
トピック
  • 仮説検証のプロセス
  •  Quicklookのテンプレートを用いた演習を引き続き行う。特に以下の点についての議論をグループごとに行う。
    • QL-5: 開発状況
    • QL-6: 知財の状況
    • QL-7: 競合分析
    • QL-8: 市場参入の障壁 (課題)
    • QL-9: レーティング及び結論
事前課題
  • インタビューなどを行い、Quicklookの1-4までを可能な限り埋めてくること (グループ課題)。
文献リスト(オプション)
  • なし
第4週後半 (7/1 6限): 早稲田大学を取り巻くスタートアップ・エコシステム – 授業後懇親会
トピック
  • 早稲田大学を取り巻くスタートアップ・エコシステムの概要を理解する
  • ゲスト・スピーカー
    • 朝日透氏 (早稲田大学理工学術院教授)
事前課題
  • なし
文献リスト(オプション)
  • Mikiko Shimaoka, Toru Asahi, Tatsuhiko Inoue, Tomomi Kito, Takahiro Ohno and Shozo Takata, “Entrepreneurship Education at Waseda University, Japan: Challenges in Integrating Entrepreneurship Education Programs Across Universities and Beyond”, 2021 [DB]
オンデマンド4: 早稲田大学のエコシステム
トピック
  • 早稲田大学のエコシステム (島岡先生パート)
    • 島岡未来子氏 (早稲田大学リサーチイノベーションセンター教授)
  • 早稲田大学のエコシステム (喜久里氏パート)
    • 喜久里要氏 (早稲田大学 リサーチイノベーションセンター知財・研究連携担当課長(知財・研究連携支援、アントレプレナーシップ担当))
事前課題
  • ビデオを見て内容を理解しておくこと
文献リスト(オプション)
  • Mikiko Shimaoka, Toru Asahi, Tatsuhiko Inoue, Tomomi Kito, Takahiro Ohno and Shozo Takata, “Entrepreneurship Education at Waseda University, Japan: Challenges in Integrating Entrepreneurship Education Programs Across Universities and Beyond”, 2021 [DB]
第5週前半 (7/8 5限): イノベーションを創出するためのエコシステム / 科学技術の商業化の理論的背景
トピック
  • ケース「サイエンティスト冨田勝」のディスカッションを通じて、イノベーションを創出するためのエコシステムについて学ぶ。
  • 「イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学」からLab to Marketのプロジェクトに役立つ知見を提供する。
事前課題
  • ケース教材「サイエンティスト冨田勝」を読み込み、以下の設問に答えよ。
    1. 慶應義塾先端生命科学研究所は成功していると言えるか? その理由は?
    2. 冨田自身はどのような役割を果たしているか?
    3. イノベーションと高い生産性は何が要因で続いているのか。
  • 牧兼充著、「イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学」、東洋経済新報社、2022年 [第4、5、6、11、12章]
文献リスト(必須)
  • 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター 科学技術とアントレプレナーシップ研究部会「サイエンティスト冨田勝」
  • 牧兼充著、「イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学」、東洋経済新報社、2022年 [第4、5、6、11、12章]
文献リスト(参考)
  • ハーバード・ビジネス・スクール・ケース「ランガー研究所」[HBSP]
  • 高田仁. “「パスツール型」 研究者と大学発ベンチャーの関係性に関する考察~ 会社設立の背景と役割分担に関する事例分析から~.” 研究 技術 計画 35.3 (2020): 305-315. [DB]
  • スティーブン・プロケッシュ、「医療界のエジソン」がイノベーションを生み出し続ける仕組み」、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー、2017年12月
第5週後半 (7/8 6限):  科学技術の商業化 (5) –  中間レビュー
トピック
  • Quicklookのテンプレートを用いた演習を引き続き行う。
  • QL-1-9まで全ての結果を持ち寄り、グループごとにブラッシュアップを受ける。特に、QL-9およびレーティングで、チームとしての市場参入戦略の結論を提案すること。
  • この日は、各グループをサポートするメンターを数名お呼びする予定である。
  • 潜在的なマーケットへのインタビューの計画を立てる。
事前課題
  • QuickLookの1-9までを可能な限りすべて埋めてくること (グループ課題)。
  • 仮説検証リストを作成してくること (グループ課題)。
  • 中間レビューのためのプレゼンテーションの資料を準備すること(グループ課題)。
文献リスト(参考)
  • なし
第6週前半 (7/15 5限):  早稲田大学のディープ・テック投資
トピック
  • 「早稲田大学のディープ・テック投資」(仮)- 太田裕朗氏 / 早稲田大学ベンチャーズ共同代表
事前課題
  • TBD
文献リスト(参考)
  • TBD
第6週後半 (7/15 6限): 科学技術の商業化プロセス
トピック
  • 科学技術の商業化プロセスを、ケース”E-Ink in 2005″を通じて学ぶ。
事前課題
  • ケース教材“E Ink in 2005を読み込み、以下の設問に答えよ。
    1. E Inkの何がうまくいったか。何がうまくいかなかったのか? 別のやり方があったとすればそれは何か。
    2. あなたがVCだとして、E Ink に投資するか。
    3. 会社が存続に必要なお金を確保できると仮定して、あなたがCEOならば何をするか。どの市場を攻めるか。また、どのビジネスモデルを採用するか。
文献リスト(参考)
  • David B. Yoffie and Barbara J. Mack, “E Ink in 2005”, Harvard Business School Case No. 9-705-506, Revised March 2, 2006, pp. 1-24. [HBSP]
第7週前半 (7/22 5限):  NarrativeとStorytellingとプレゼンテーション
トピック
  • プレゼンテーションにおいて重要となるNarrative及びStorytellingの技術について学ぶ。
事前課題
  • 潜在的なマーケットへのインタビューを行い、プレゼンテーションの資料をまとてくること。
文献リスト(参考)
  • ナンシー・デュアルテ著、「ザ・プレゼンテーション」、ダイヤモンド社、2012 年 [書籍]
第7週後半 (7/22 6限):  ゲスト講演「大学を基盤とした科学技術の商業化」 – 授業後懇親会
トピック
  • 「コロナ後の産学連携」(仮)-  山本貴史氏 (東京大学TLO)
事前課題
  • なし
文献リスト(参考)
  • 渡部俊也、隅蔵康一著、「TLOとライセンスアソシエイト」、株式会社BKC、2002年 [書籍]
第8週 (7/29 5・6限): 「Quicklookを活用した科学技術の商業化」最終発表会 / Wrap-up – 補講週 / 授業後懇親会
トピック
  • 最終発表会
  • ベンチャー・キャピタリストや大学技術移転の関係者を評価者としてお招きする。
事前課題
  • 科学技術の商業化の推奨案についての最終プレゼンテーションを準備すること。
  • プレゼンテーション資料とQuickLookを活用したドキュメントを用意すること。


10.関連情報

  • この授業は、以下の大学における授業を参考にしており、授業設計にあたっては様々なアドバイス示唆をいただいた。ここに感謝したい。
    • カリフォルニア大学サンディエゴ校 “Lab to Market” (担当: Vish Krishnan教授)
    • 九州大学ビジネススクール「産学連携マネジメント」(担当: 高田仁教授)
  • 授業への持ち込みのご協力をいただく主な研究シーズ
    • AIを用いた人間の状態推定技術 – 河合隆史 (早稲田大学 理工学術院基幹理工学部)
    • 生体ガスを可視化する酵素ファイバーセンサ – 武田直也 (早稲田大学先進理工学部生命医科学科)
    • ピアサポートサービス:AIによるサポート評価を通じて – 三木 則尚 (慶應義塾大学 理工学部 機械工学科)
    • バイオフィードバック –  三木 則尚 (慶應義塾大学 理工学部 機械工学科)
    • 自動配送モビリティの最新バージョン – 小野田 弘士 (早稲田大学 環境・エネルギー研究科)
    • 廃棄物・リサイクルの現場での選別ロボット – 小野田 弘士 (早稲田大学 環境・エネルギー研究科)
    • 糖尿病網膜症 無線測定システム – 三宅 丈雄 (早稲田大学理工学術院大学院情報生産システム研究科)
  • 授業運営スタッフ
    • ティーチング・アシスタント
      • プリチャード・ブレンドン氏 (WBS全日G 修士2年)
      • 杜雅楠氏 (WBS2021年度修了)
    • メンター・コーディネート
      • 東 治臣氏 (WBS夜間主総合修士2年)
  • 授業運営協力者
    • シーズ探索サポート
      • 塩月亨氏 (早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター招聘研究員)
    •  ゲスト参加
      • 高田仁氏 (九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターセンター長 / 経済学研究院産業マネジメント部門 (ビジネススクール) 教授 – オンデマンド
      • 上條由紀子 氏 (長崎大学FFGアントレプレナーシップセンター教授・弁理士) – オンデマンド
      • 朝日透氏 (Ph.D) (早稲田大学理工学術院教授 / WASEDA-EDGE 人材育成プログラム 実行副委員長)
      • 島岡未来子氏 (Ph.D) (早稲田大学研究戦略センター教授/ 神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーションスクール教授) – オンデマンド
      • 喜久里要氏 (早稲田大学アントレプレナーシップ・センター課長) – オンデマンド
      • 太田裕朗氏 (Ph.D) (早稲田大学ベンチャーズ共同代表)
      • 山本貴史氏 (株式会社東京大学TLO代表取締役社長)
    • 最終審査員
      • 阿部博 氏 / 有限責任あずさ監査法人パートナー/公認会計士
      • 大澤弘治 氏 (Ph.D) / Global Catalyst Partners Japan Managing Director
      • 木村英一郎 氏 (Ph.D) / 東京工業大学 環境・社会理工学院教授
      • 櫻井直樹 氏 (Ph.D) / Founder and CEO, HISHOH Biopharma Co., Ltd.
      • 林田 丞児 氏 (Ph.D) / 株式会社セルージョン副社長兼取締役COO
      • 牧兼充 氏 (Ph.D) / 早稲田大学ビジネススクール准教授
    • メンター
      • 石上 隆雄 氏 (Ph.D) (WBS2022年度修了)
      • 海老原 瑞貴 氏 (WBS 2022年度修了)
      • 後藤 俊 氏 (WBS 2022年度修了、WBS招聘研究員)
      • 高木 博史 氏 (WBS 2021年度修了)
      • 徳橋 和将 氏 (Ph.D) (WBS 2019年度修了、WBS招聘研究員、WBS非常勤講師)
      • 杜雅楠 氏 (WBS 2022年度修了)
      • 東 治臣 氏 (WBS 夜間主総合修士2年)
      • 平野 梨伊 氏 (Ph.D) (WBS 2021年度修了、WBS招聘研究員)
      • 吉田 公亮 氏 (Ph.D) (WBS 2020年度修了、WBS招聘研究員)