2020年度夜間主総合ゼミ配属: 面談からの雑感

2020年度夜間主総合ゼミ配属: 面談からの雑感

2019.11.11 夜 最終盤

これで今年度はもう更新しないです。

最終的な志望人数を見る限りは、今希望下さってる方の多くは通ると思います。
通る可能性はそれなりに高いので、ぜひ最後まで諦めずにチャレンジしていただければと思っております。
過去の経験的には、最後に応募を取りやめる方もいるので、現時点で第一希望に入れていない方も含めて、出していただければ
通る確率はそれなりにある状況ではないかと思っています。
選考基準を明示化しましたのでご覧下さい。

第一ラウンドで牧ゼミに本申請をした段階で、メール (kanetaka-sec@kanetaka-maki.org) で最終的な志望理由書と履歴書を送付してください。希望者数によって、その後の対応を考え連絡します。

 

画像に含まれている可能性があるもの:11人、、Joji Hayashidaさん、阿部 淳一さん、牧 兼充さん、大角 知也さん、畝村 石井 知里さん、Reina Otsukaさんなど、、スマイル、立ってる(複数の人)

 

[はじめに]

今年度は、41人の方から面談の予約をいただきました。まず、面談にいらして下さった皆様に御礼申し上げます。色々な分野で抱えている問題意識をお聞きできて、私にとってもたくさんの学ぶ機会でした。WBSは本当に魅力的な学生が集まっている場だと、改めて思いました。

面談申し込みの際には、私のゼミを志望しているかになく、ぜひ面談にいらしてくださいとお伝えしているので、実際に希望している人はこの人数よりはるかに少ないと思いますが、それでも定員の人数まではいく可能性が十分あると思っています。正直、面談にいらして下さっている方々、皆さん素晴らしいご経験をお持ちで、ぜひ一緒に学びたいな、と思う方ばかりでした。なので、もし選考になってしまうとすると私は本当に悩むと思います。Student-centeredなゼミ配属プロセスというのは、ゼミの倍率が上がらないように教員が最大限努力することが根幹にあると思っています。このゼミが倍率が高くならないようにしたい、と思っています。

理想的には、6人ぴったりの希望者となることなのですが、万が一溢れてしまった場合には、以下の選考方針で進めようと思っています。この方針は今年の面談結果に基づいていますので、今年の希望者がゼミを希望するかのご判断に直接お役に立つ内容なのではないかと思います。

この方針を示すことで、私のゼミに向かない人が事前に分かり、別のゼミを希望していただくことになると思うので、結果的に応募する人数が減り、定員人数と応募者の誤差が少なくなるのではないかと思います。

[ゼミを希望する方への大前提]

  • 私の秋の授業「技術・オペレーションのマネジメント」(TOM)の授業内容に興味を持っていただいて希望している方が多数いらっしゃいます。でもこのTOMは誰もが受けられるように汎用的に教えている科目ですので、私がゼミで扱う内容とは異なります。私のゼミは、春学期の「科学技術とアントレプレナーシップ」(STE)でカバーする内容により近いです。TOMに興味があるけれども、STEに興味が持てない方は私のゼミには向かないと思います。ぜひSTEのシラバスをご覧になってください。
  • 私のゼミはSTEの授業も含めて、今世界でもっとも活躍している学者たちが生み出したイノベーション、科学技術、ベンチャー企業に対する最先端の「知」を、論文を読むことを通じて学んでいただきます。1年間で世界最高水準の「知」を自分の力で読みこなせるようになっていただきます。これにはそれなりの基礎学力が必要です。基礎学力が足りない人は、他に人よりも数倍時間をかけないとついていけないのでで、その覚悟を持っていただくことが条件です。過去にもその覚悟を持って、ゼミに所属している人は何人もいます。
  • このゼミの基盤となるものは、あくまで「科学技術」です。「科学技術とビジネス」に強い関心・興味を持っていることが必要です。アントレプレナーシップに興味があるけれども、「科学技術」に興味がない人はこのゼミには向きません。
  • キャリア形成のためにはネットワーク力はとても大切です。同期の間でも広いネットワークを持っている人であることを重視します。
  • このゼミはいわゆる文系と理系を区別はしません。純粋に今まで勉強していたこと、経験してきたことの総量の差であると思っています。文系だから統計が苦手です、といったロジックを受け入れることはありません。文系でも統計に優れている人もたくさんいます。
  • ちなみに私自身は32歳で米国の博士課程にいくまでは、勉強量は圧倒的に少なく、博士課程ではとても苦労しました。ただ死に物狂いで学んだことで、自分自身がやれることが飛躍的に増えました。このゼミでは、今までの勉強量が足りてない人も、手を抜かずに努力する人には最大限のサポートをしていきたいと思います。でも、もし自分がサボってしまいそうであれば、どうかその枠をより頑張りそうな人に譲ってあげて欲しい、と思っています。
  • まずは、ゼミとテーマが合うこと。それが前提として、ダイバーシティを考慮します。逆にいうと、ダイバーシティのためにゼミのテーマを広げることはしないです。テーマが合うかどうかは、私の研究分野との相性だけではなく、6人のゼミ生同士のテーマの相性をみます。

[ゼミに向かないトピック / 志望理由]

  • 私のゼミはいわゆる「アントレプレナーシップ」について学ぶゼミではありません。あくまで、「科学技術」を基盤としたビジネスを創出することで、その手段の一つがベンチャーだと思っています。私は「科学技術と関係のないベンチャー」に関してはあまり詳しくないので、お役に立てないと思います。
  • 「英語」も「定量分析」もあくまで手法です。やりたいことを先に示してください。ゼミはテーマの専門性を身につける場であると信じていますので、「英語」や「定量分析」を学びたいから、というのは志望理由のメインにはなり得ないと思います。「定量分析を学ぶ」「英語を読む力をあげる」という意味では、ゼミよりも春クオーターの「科学技術とアントレプレナーシップ」の授業を履修していただくと良いかと思います。もちろん、やりたいことがあって、それに加えて、「英語」や「定量分析」を学びたいという理由が加わることは、とても健全だと思います。

[ゼミに向くトピック/テーマ]

  • 研究開発のマネジメント
  • 研究組織のマネジメント
  • 医療のデジタル化と協調のインセンティブやエコシステムの創生
  • スター○○ (○○には専門職が入る)
  • アントレプレナーの育成支援
  • 新事業創造のエコシステムの創生
  • アクセラレーターの成功要因
  • 医療などのビッグデータ解析、AI応用
  • ロボティクスなど先端産業のエコシステム創生
  • デジタル化によるエコシステムの変化
  • ハッカソンなどのイノベーション・コンテストの成功要因
  • 企業と大学の連携によるイノベーションや新事業創造
  • 企業におけるイノベーションを生み出す仕組みのデザイン
  • サイエンティストとエンジニアのキャリア
  • サイエンスのビジネス化のためのファイナンス
  • 多様なアクターのインセンティブ・デザイン
  • イノベーションとインクルーシブネス
  • フィランソロピックファンドとイノベーション
  • ファミリーオフィスによるサイエンスへの投資のメカニズム
  • 科学的実験ができそうなトピック

[ダイバーシティについて考慮すること]

  • いわゆる女性枠はありません。女性は0人から6人までの可能性がありえます。ちなみに、全日制グローバルのゼミは女性比率が50%超えるときがあります。
  • 国籍による枠はありません。例えば中国人が複数入ることもありうると思います。
  • 同じ会社から複数入ることはありうると思います。
  • ヘルスケア産業の希望者が多くなる傾向にありますが人数の枠は設けません。ヘルスケアはあくまで分野なので、どういうバックグラウンドを持っていて、どういうアプローチを目指しているのか、という観点からのダイバーシティをみます。
  • このゼミはいわゆるヘルスケア産業や製薬企業にフォーカスをしたゼミではありません。サイエンス&テクノロジー・ビジネス全般について扱います。ヘルスケア産業・製薬企業以外のサイエンス&テクノロジー・ビジネスの議論に貢献できない人は向きません。
  • 選考にあたって年齢はみません。
  • 全員の興味がなんらかの形で部分的に重なるようにしたいと思っています。
  • 分野特性上、理系の人が増える傾向がありますが、それはこのゼミの特徴であると思っています。ただし、文系だからといって不利になることはありません。
  • 分野特性上、修士・博士を持っている人が増える傾向がありますが、それはこのゼミの特徴であると思っています。ただし、修士や博士がないからといって不利になることはありません。
  • 夜間主総合ゼミは、ビジネススクールはプロフェッショナルの集まりなので、相互に自分は何のプロなのかを示していただくことが、ダイバーシティの根幹にあります。

 

  • 以下のIDEOのビデオクリップの1:35 –  2:08あたりをみてください。 イノベーションを生み出すメンバーのダイバーシティが良く現れています。ご自身がプロとしてどんな役割をこういった場で果たせそうかを考えてみて下さい。

 

[注意点]

  • 面談では、それぞれのトピックについて、私のゼミにどのくらい向いているかをお返事しました。ただし、ゼミの選考は相対的なものです。誰が応募してくるかによって、それぞれのテーマがどの程度向いているかという点は相対的に変化します。私の個別のコメントは、誰が応募してくるか分からない前提で話していること、ご了解下さい。
  • 今回面談で盛り上がって、このゼミに向いていると思った方は定員以上にいることはご了解下さい。
  • 定員がオーバーした際は、私がこのコミュニティに誰か参加するかを判断する権利をお預かりすることになります。必ずしも本人の能力で判断するわけではなく、ダイバーシティや全体のバランスなど多様な条件で検討します。希望が叶わなかったとしても、その判断を了解して下さる方に応募していただきたいです。
  • 私は「挫折力」が大事だと思っています。自分自身の経験からも渡米して以降は、常に自分の能力を超える環境で戦っているので、自分が希望していることが通ることの方が少ないです。常にプランBを持ちながら、意思決定をしていました。もし今までのキャリアで、自分の希望がずっと通っていた方は、おそらく十分にチャレンジしていなかった、ということなのかなと思います。常にプランBを持っていて、第二希望にいっても活躍できるような方がこのゼミには向いていると思っています。入ってからも挫折することは少なくないと思います。その点、ご理解の上、ご応募ください。
  • 「〇〇さんはどのゼミに行っても幸せになれますよ」と私が言った場合、それは「他のゼミの方が向いていてうちのゼミは向いていない。」という意味ではありません。うちのゼミも含めて向いているときに言っています。

[オープン・ゼミについて(既に終了)]

  • 11月8日(金)のゼミは、オープン・ゼミを開催します。18:50-22:00まで、911番教室です。修士論文に関する関連研究の論文の輪読や研究発表などを行います。この日は21時くらいに終えて、飲み会にいこうと思っています。
  • この日は、ゼミの希望者はご参加いただいて構いません。ただし、私はゼミ生の学習の場をとても大切に捉えています。あまり人数が多くの人が出入りすることで、ゼミ生の学習の場の生産性を下げたくありません。そこで、今回は (1) 私のゼミが第一希望で申請することをきめている、(2) 第一志望の一つとした他のゼミと真剣に悩んでいて最終決定したい、のいずれかに該当する方のみ、見学にいらして下さい。
  • ご参加希望の方は、seminar-evening-2019-member@kanetaka-maki.org (夜間主総合2期生+牧のML) までご連絡下さい。
  • 参加するにあたっては、ぜひどんな貢献ができるか、考えてみていただけますと嬉しいです。
  • 部分参加も可能です。
  • ゼミにとってはピアの存在が大事です。この日にいらしていただいて、他にどんなメンバーが志望しているのかを知っていただければと思います。
  • この日に見学するかどうかは、選考結果には一切関係ありません。
  • 飲み会の予約などもあり、人数を把握したいので、既に参加を決めている方は早めにご連絡下さい。ただし、もちろん直前まで悩んで上でご連絡をいただくのでも構いません。

[オープン・ゼミを開催して]

  • オープン・ゼミには思ったより多くのみなさまがいらして下さって、ご興味持って下さってありがとうございます。どなたも素晴らしいバックグラウンドやご経験をお持ちの方ばかりで、ご一緒できるのを楽しみにしています。
  • 今回のゼミの発表、とてもレベルが高かったと思います。ついていけるか不安に思った方もいるかもしれません。ただ一つ申し上げたいのは、ゼミの1年間の中で、この時期というのはほぼ終わりのタイミングだ、ということです。今のM2の方も1年前は同じような不安を感じながら、勇気をもって応募いただいたのだと思います。今のみなさんと同じようなステージでした。つまり、1年間でここまで成長するんだ、というその先を見ていただいたんだと思います。今同じことができる必要は全くもってないと思います。
  • このゼミは、アカデミックな議論が、とても高い水準で求められます。ただし、研究のための議論をしているのではなく、アカデミックな理論を実務に活かすための議論をしています。その際には、現実を抽象化して、それを自分の経験や事例にあてはめてみる力が重要です。アカデミックな理解力が高いことが、より良い実務での意思決定能力の向上になる、という前提に立っています。アカデミックな議論を実務に活かす自信がない、という方は向かないかも知れません。
  • このオープン・ゼミで行ったような議論の中で、自分がどんな貢献ができるのか、それがこのゼミでの貢献として重要です。その体験をしていただけたかと思います。すべての内容を理解する、ということよりも、抽象化された議論から自分の経験に結びつけて、論点を出していくことが大切です。

[ゼミの選考プロセスについて]

  • 応募者が6人を超えた場合には選考を行います。その際は、志望理由、研究のテーマ、バックグラウンドなどで判断します。選考にあたっての書類はオフィス訪問期間に見せた研究計画書/志望理由書と同じでも、がらっと変えたものでも構いません。最終決定にあたっては、現役のゼミ生からの意見も聞く予定ですので、あらかじめご了解ください。また応募者に対して、一緒に学びたいメンバーは誰かを聞くと思います。必要に応じて、選考のための面接を行います。
  • 第一ラウンドで牧ゼミに本申請をした段階で、メール (kanetaka-sec@kanetaka-maki.org) で最終的な志望理由書と履歴書を送付してください。希望者数によって、その後の対応を考え連絡します。
  • 選考にあたっては、面談を行うと思います。その際は一般的な志望理由に加えて、以下の質問をすると思います。
    • 他の応募者の中で、ゼミで一緒にやりたい人は誰か。自分と似ている人で一緒にやりたい人、自分と異なる人で一緒にやりたい人、ダイバシティの観点から一緒にやりたい人についてお聞きします。
    • プランBや、”devil’s advocate”に関わる質問をすると思います。
  • 選考自体が、皆様にとっての「学びのプロセス」になるようにしたいと思っています。その観点から、選考の面談で聞く予定の質問などはある程度お伝えしようと思います。

【今年度の選考基準】

  • 人数を鑑みて、現時点では以下の基準と優先度を用いて、選考を行おうと思っています。ただし、この基準を事前に公開することで希望者が入れ替わるので、最終的に基準を微調整しないといけなくなる可能性もあります (こういうのをアカデミアの世界では「予言の自己破壊」と呼ぶらしいです: http://bgeducation.blog.fc2.com/blog-entry-103.html)。
    1. ゼミのテーマとのマッチ度。これは私個人のテーマとのマッチ度もありますし、6人の学生同士のマッチ度でもあります。他のメンバーも面白いね、と思うテーマであることが大切です。応募いただく際の志望理由書はそれを鑑みてテーマを書いてください。
    2. 「科学技術とアントレプレナーシップ」のテーマを遂行するためには専門性の高い人材がゼミにいることは重要です。「科学技術」の特定の分野への専門性が高い人は有利になる傾向です。また「科学技術とアントレプレナーシップ」に関連する領域で専門性を持っている人も、議論において重要です。ダイバーシティはこの個々人の「専門性」によって決めると思います。
    3. ゼミの活動へのコミットメント。通常のゼミに加えて、合宿やスタディ・ツアーなどにどの程度参加できるか、より多くの場に参加いただけそうな方を優先します。
    4. 他の希望者に一緒にやりたい人を聞いた場合にどの程度名前があがるか。
    5. ゼミ1期生、2期生からの推薦。
    6. 同級生にどの程度広いネットワークを持っているか。
    7. ゼミに限らず、在学中・修了後も、様々なプロジェクトをご一緒できそうかどうか。

[質問などについて]

私のゼミに希望する方で、この雑感をご覧になってもさらに、ご質問ある人もいるかと思います。個別にご質問いただければ、その返答について、訪問期間内であればお答えできるようにします。kanetaka-sec@kanetaka-maki.org までご連絡下さい。