WBS-JRI 共同講座 「B Corpプログラム Series 03 応用編」

共催: 株式会社日本総合研究所、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター
担当者: 牧 兼充 (kanetaka@kanetaka-maki.org)
日時: 2025年12月13日(土) 9:00-17:30
形態: 対面型ワークショップ
教室:  早稲田大学早稲田キャンパス (全1回 26号館 8F 801番教室 )

 

1.プログラム概要

2023年度、2024年度に株式会社日本総合研究所(日本総研)、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センターは共同で、「B Corpを活用したSX人材育成」プログラムを提供してきた。このプログラムは、オンラインビデオの学習とケース教材ベースのワークショップを組み合わせることにより、受講者のB Corpの理解や、国内のB Corp ムーブメントへの参加を促進することを目的としたものである。2025年度は、当該プログラムの導入編を日本総研が主催し、応用編を日本総研と早稲田大学との共同で開催する。

2022年より日本政府の新しい資本主義実現検討会議では、経済性と社会性を両立する「公的な役割を担う法人形態」に関する議論が進められて来た。それを具現化する一つの仕組みとして、環境・社会といったサステナビリティ側面に配慮しながら、公益と収益を両立する「良い企業」の認証制度である、B Corpがある。現在、B Corp認証は、米非営利法人であるB Labで運営されており、その認証取得企業数は、国外では106か国10,000社超、国内でも66社(24/10時点)と、中小スタートアップから大企業まで様々なプレイヤーによるB Corp認証への関心が徐々に高まりつつある。

今後もビジネスにおけるサステナビリティのトレンドはより必要不可欠なものとなる中、グローバルなムーブメントであるB Corpの認証基準を活用し、サステナビリティ視点をもって、組織や社会を変革するSX人材の育成に貢献するための共同講座を開設する。

なお、本プログラムの開発は、B Corp認証やベネフィットコーポレーション等の研究を通じて持続可能なビジネスの加速に取り組む教育者ネットワークである米非営利法人 B Academics (https://bacademics.org/) と日本総研との協力に関する覚書を締結している。

2.プログラムの到達目標

プログラム終了時に以下の知識・スキルを身につけていることを目標とする。

(知識)

  • B Corpムーブメントへの参加方法

(スキル)

  • 自社でB Corpを取得する場合、組織における取組の背景を理解し、サステナビリティ視点で社内で必要なアクションを考えられるスキル
  • 国内のB Corpへの関心を高め、ムーブメントを促進するため、個人または所属組織として実行可能なアクションを考えられるスキル

3.事前・事後学習の内容

  • 授業前に、ケース教材の読了および事前課題の実施を完了すること。

4.教材

  • ケース:「バリューブックス:中古商品を取り扱う企業の責任とは~バリューブックスの気づきと対応~」
  • ケース: “B Lab: Building a New Sector of the Economy” (HBSケース)
  • ケース: “B Lab: Can it Scale Business as a force for good?” (HBSケース)
  • 事前資料「システム思考 」(松浦貴志氏作成)
  • その他、各回のワークショップ時に講師より提供。

5.授業計画 (主なトピック)

  • B Corpムーブメントの背景と現状
  • どうすればB Corpになれるのか
  • 日本でB Corpが広がるためには

6.スケジュール・課題など

 12月13日 (土)9:00-17:30
 統一テーマ 「システムの変革を通じて社会の課題を解決する 」

セッション1 (9:00-9:20): イントロダクション
内容
  • アイスブレイク (WBS/牧)
  • プログラムの構成と狙い (WBS/牧)
事前課題
  • なし
 セッション2 (9:20-10:50): バリューブックスを通じて考えるB Corpの意義
内容
  • ケース「バリューブックス:中古商品を取り扱う企業の責任とは~バリューブックスの気づきと対応~」 (WBF 招聘研究員/松澤・日本総研/瀬名波)
事前課題 ケース「バリューブックス:中古商品を取り扱う企業の責任とは~バリューブックスの気づきと対応~」を読んだ上で以下の課題の準備をして下さい。

  • アダルト商品の取り扱いについて、バリューブックスの考え方や方針をふまえ、これからプレスリリースを配信するにあたり誰にどのような配慮をしていることを示すべきなのか、考えてみましょう。(注:実際のプレスリリースは検索できますが、可能な限り閲覧せずに考えてみましょう。)
セッション3 (11:00-12:30): B Corpと社会課題解決のためのシステム
内容
  • 食・地域資源を活用した価値共創 (経営デザイン/野中)
  • サプライチェーンマネジメントと社会課題 (経営デザイン/大森)
  • B Corp Movementから考える人権 (B Market Builder Japan/鳥居)
事前課題
  • なし
ランチ (12:30-13:30) 
セッション4 (13:30-15:50): システム思考ワークショップ
内容
  • システム思考ワークショップ「社会変革のためのシステムを理解する」(経営デザイン/松浦・経営デザイン/野中・経営デザイン/大森・WBS/牧)
事前課題
  1. 因果ループ図について事前資料「システム思考」p6-29を読み、理解してくること。
  2. ケース: “B Lab: Building a New Sector of the Economy” 及びケース: “B Lab: Can it Scale Business as a force for good?”を読み、以下の問いの答えを準備せよ(参考: 事前資料「システム思考」p3-4)。
    • B Corp Movementのステークホルダは誰か。
    • 企業としてB Corpになることの価値を10個あげよ。
    • B Corp Movementのステークホルダそれぞれが生み出している価値は何か。可能な限りたくさんあげよ。
  セッション5 (16:00 – 17:30): 個人が行動を変えるには / Wrap up
内容
  • デザイン思考ワークショップ「個人が行動を変えるには」 (WBS/牧)
  • Wrap-Up (WBS/牧)
事前課題
  • 参考文献
    • B Labのセオリー・オブ・チェンジ
      • https://www.bcorporation.net/en-us/movement/theory-of-change/
    • SIIFのnoteに掲載していただいているB Labのセオリー・オブ・チェンジに関するブログ
      • https://note.com/siif_pr/n/n6f738c73ed5f?magazine_key=mc96e139a76e8
    • COP30に合わせてB Labが発行したホワイトペーパー
      • https://www.bcorporation.net/en-us/news/press/b-corps-demonstrate-path-to-reduce-global-temperature-rise-as-business-leaders-mobilize-at-cop30/
* セッション終了後、18:00 – 懇親会(オプション)を開催。

7.グループの編成

  • 今回の受講者は約40人である。
  • 5-6人1グループで8グループ組成する。

8.プログラム運営メンバー

このプログラムは以下のメンバーにより運営されている。

  • 講師
    • 牧 兼充 (早稲田大学ビジネススクール准教授)
    • 松澤 佳郎 (株式会社テレコンサービス / 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター招聘研究員)
    • 松浦 貴志 (早稲田大学創造理工学研究科経営デザイン専攻非常勤講師 (春学期))
    • 野中 朋美 (早稲田大学創造理工学研究科経営デザイン専攻教授)
    • 大森 峻一 (早稲田大学創造理工学研究科経営デザイン専攻教授)
    • 瀬名波 雅子  (株式会社日本総合研究所)
    • 鳥居 希 (一般社団法人B Market Builder Japan/株式会社バリューブックス)
  •  運営
    • 橋爪 麻紀子  (株式会社日本総合研究所)
    • 渡辺  珠子  (株式会社日本総合研究所)
    • 瀬名波 雅子  (株式会社日本総合研究所)
    • 南 かのん (株式会社日本総合研究所)
    • 鳥居 希 (一般社団法人B Market Builder Japan/株式会社バリューブックス)
    • 溝渕 由樹 (一般社団法人B Market Builder Japan/株式会社ovgo)
    • 宮下 迪帆 (一般社団法人B Market Builder Japan)
    • 木村 かりん (一般社団法人B Market Builder Japan)
    • 牧 兼充 (早稲田大学ビジネススクール准教授)
    • 石井 美季 (早稲田大学ビジネススクール牧研究室)
    • 大森 峻一 (早稲田大学創造理工学研究科経営デザイン専攻教授)
    • 小島 ゆい (早稲田大学創造理工学研究科経営デザイン専攻大森研究室)
    • 山口 信恵 (株式会社早稲田大学アカデミックソリューション)
    • 正木 香子(株式会社早稲田大学アカデミックソリューション)
    • 寶井 真友 (株式会社早稲田大学アカデミックソリューション)
  • 運営協力
    • 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター イノベーション・技術・オペレーション研究部会

9.備考・関連URL

  • プログラム参加にあたっての注意
    • グループワークなど、講義中に、各社の情報を共有されることがあると考えられるが、本研修内に限る取り扱いとする。
    • 研修中に記録のため、研修風景の写真を撮影する。研修後に受講者に共有するので、写真に含まれたくない場合は申し出ること。
  • このプログラムにおける Honor Code
    • 全ての課題については、参加者同士で相談しても構わない。グループで議論することを推奨する。
    • 全ての授業準備、課題については、過去のプログラムの履修者、もしくは他大学における同一授業の配布資料・ノート・授業スライドなどを参照することを禁止する。
  • “Diversity, Equity, and Inclusion”の尊重
    • このプログラムは、インクルーシブであることを前提としている。
    • このプログラムでは、すべての参加者が、人種、自認する性別、性的指向性、社会的地位、年齢、障害の有無、宗教、出身地域、国籍、言語の得意・不得意、その他個々人の多様性を生み出すものすべての観点において、同等に学ぶ権利を提供することを目指す。
    • このプログラムがインクルーシブであるほど、多様性が生まれ、イノベーションや創造性が強化され、受講者の学びの体験が向上する。
    • インクルーシブなプログラムの実現のためには、受講者の皆様のご理解が不可欠である。積極的に参加し、助け合って、そして相互にピアのことの理解を深めることを求める。多様性、人とは違うということを相互にリスペクトし、それを強みにしていきたい。
  • プログラム期間中における環境配慮
    • このプログラムでは環境負荷削減のため、ペーパーレスを目指す。配布教材は、一部のワークショップ用資料を除き、原則電子ファイルで配布される。各自が端末にダウンロード頂き、ご自身で管理いただく。
    • プログラム期間中は、極力ペットボトル等の利用を控えるため、マイボトルを持参いただき、ウォーターサーバをご利用いただく。